律令時代において田地の面積,地目,田主などを調査すること。校はしらべるの意。まれに検田ともいう。《日本書紀》によれば,大化改新に際して645年(大化1)8月に東国の国司に命じて田畝を校(挍)せしめたとされるが,これが最初である。6年ごとの班田収授の年には,班田に先立って国司が校田を行い,とくに畿内諸国では中央派遣の班田使(平安時代には校田使)が校田を行い,その結果を校田帳にまとめて太政官に報告することになっており,これを〈校田之政〉と言った。そのほか必要に応じて随時行い,また巡察使の職掌の一部として行うこともあった。743年(天平15)の墾田永年私財法の発布後は,班田収授に際してこの校田の結果を確定することが困難となり,班田収授法崩壊の一因となった。なお,例えば造東大寺司が所管の荘園に対して校田使・検田使を派遣した事例が示すように,初期荘園において行われた田地の調査も校田と呼ばれる。
執筆者:虎尾 俊哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
律令制下,班田に先だって国司または校田使(畿内)が行う田地の調査。戸籍が造られた後,農閑期を選んで田地の地種・面積・所有者などを調査し,翌年以降の班田収授に備えた。結果は太政官に報告され,校田帳に記載された。ときには隠没田の摘発を目的として,巡察使によって実施されることもあった。墾田永年私財法が施行されると,校田実務が煩雑化して査定が困難となり,しだいに実施が遅れ,班田自体も遅延するようになった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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