(読み)ね

デジタル大辞泉の解説

こん【根】

物事に飽きずに耐えうる力。気力。根気。「精ももつきはてる」
《〈梵〉indriyaの訳。機関・能力の意》仏語。作用を起こす力。生命活動や感覚の原動力。感覚のもとになる眼・耳・鼻・舌・身を五根、それに思惟を起こさせる意を加えて六根という。

㋐方程式を成立させる未知数の値。
㋑ある数を何乗かした数に対するもとの数。「平方
イオンになりやすい基(き)。硫酸根(SO4)など。

こん【根】[漢字項目]

[音]コン(呉)(漢) [訓]
学習漢字]3年
〈コン〉
植物のね。物のねもと。「根茎・根菜/塊根球根草根毛根
物事のもと。「根拠根元根底根本禍根基根病根無根
物事に耐えうる気力。「根気性根(しょうこん)精根
方程式の未知数の値。「実根
仏教で、知覚を生じさせるもと。「六根
〈ね〉「根城根元垣根性根(しょうね)屋根
[名のり]もと
[難読]根扱(ねこ)ぎ根刮(ねこそ)ぎ

ね【根】

維管束植物の基本器官の一。普通は地中にあって、植物体を支え、水・養分を吸収する。先端に根冠に包まれた生長点があり、根毛をもつ。「植木のがつく」「竹がを張る」
立ったり生えたりしているものの下の部分。「歯の」「髷(まげ)の
物事の基礎・土台。根本。「息のを止める」「思想の
物事の起こるもと。根本原因。「悪のを絶つ」「両国の対立のは深い」
はれ物などの中心になっている堅い部分。「できものの」「魚の目の
本来の性質。生まれつきの性質。「は心のやさしい人だ」
釣りで、海底にある岩礁帯。「魚」
名詞の下に付いて、複合語をつくる。
㋐地に根ざしている、立っている意を表す。「垣」「岩
㋑語調を整えるために用いる。「杵(き)」「島
[下接語]息の根岩根枝根海老(えび)根大(おお)根尾根主(おも)根垣根固根草の根首根心根舌の根性(しょう)根白(しら)根白(しろ)根付け根・這(は)い根・蓮(はす)根羽根・歯の根・鬚(ひげ)根菱(ひし)根棒根細根眉(まゆ)根屋根矢の根横根若根

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百科事典マイペディアの解説

根【こん】

解とも。数学では,方程式を満足する未知数の値をその方程式の根という。f(x)=0でf(a)=0ならばx=aはf(x)=0の根。根を求めることを,方程式をくという。

根【ね】

シダ植物,顕花植物にあって,の下端に続き,植物体を固着させ,水分や養分を吸収して茎葉に送る器官。多くは地下にあり,これらを総称して地中根というが,気中に裸出する気根もある。 種子が発芽すると胚の一端の幼根は伸びて初生根となる。これが発達して根系を作るものを定根といい,しばしば主根から枝根を分けて樹枝状となるが,シダ植物,単子葉植物では茎から2次的に生じる不定根が主となってひげ根を作る。根には通常,根冠があって,内部の生長点(頂端分裂組織)を保護し,生長点からわずかに離れた表皮には根毛が密生,水分,養分を吸収する。皮層は一般に厚く最内層は明瞭な内皮となり,維管束は中央に集まって放射中心柱を作る。また樹木などでは茎と同様に形成層の働きによって材が作られ,年輪を重ねる。根系の構造は生育環境と密接に関係し,地下水が深いところでは主根が発達し,岩盤上などでは浅く広がる傾向がある。 肥大してデンプン,イヌリンなどをたくわえる貯蔵根には,主根が肥大したごぼう根(ゴボウ,ダイコン,タンポポ)と不定根が肥大する塊根(サツマイモ,ダリア)がある。このほか宿主から養分を奪う寄生植物の寄生根,葉状となって光合成を営む同化根などがあり,またマメ科植物のように根粒をつけるものもある(根粒菌)。

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世界大百科事典 第2版の解説

こん【根】

サンスクリットのインドリヤindriya(元来の味は力)の漢訳。一般にインド哲学では5種の感覚機能または器官(眼,耳,鼻,舌,身)を意味し〈五根〉と総称するが,すでにウパニシャッドの中では身体に宿る生命活動機能の一つとして〈五根〉が列挙されている。インド哲学諸派は五根を物質界(元素)に属するものと考えるが,単なる身体の一部(眼球など)とは区別する傾向が強い。仏教ではこれに意(あらゆる精神活動をつかさどる器官)を加えて〈六根〉とし,さらに広義には六根のほかに煩悩を断ち悟りに導く力(信・勤・念・定・慧の五根)や寿命(命根),男根,女根などを加えて〈二十二根〉ともいう。

こん【根 radical】

化学用語。化学反応の過程でまとまって行動する原子団を一般にというが,基のうちイオンになりうるものを根ということがある。たとえば,水酸根-OH,硝酸根-NO3,硫酸根-SO4などである。【妹尾 学】

ね【根 root】

維管束植物の軸性器官で地下に向かって伸びていく部分。植物体を大地に固定させると同時に,地下から水や養分を吸収する。茎と異なる点は,屈地性(背光性)をもち,先端には根冠があり,内生的に分岐し,内皮にかこまれた放射中心柱があり,表面に毛や鱗片などの付属物をつけることがないなどである。 根の形状は,地上部の性質に比べると,比較的変化が乏しい。これは,多分,地下は環境として比較的安定しているために,植物の進化の過程で,地上部のように多様な変化を経ることがなかったためであろう。

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大辞林 第三版の解説

こん【根】

粘り強く一つのことを続ける気力。根気。 「精も-も尽き果てる」
[1] 〘数〙
方程式を成立させる未知数の値。方程式の解。
ある数を何回か掛け合わせた数に対する、そのもとの数。累乗根。
〘化〙 全体としてイオン(特に陰イオン)になっている基。硫酸根 SO42- など。現在はあまり用いない。
〘仏〙 感覚器官など、一定の機能・能力を有するもの。
[句項目] 根を詰める

ね【根】

維管束植物の基本的な栄養器官の一。普通地中に伸びて、植物体を支持し、水や養分を吸収する。また、物質の貯蔵にも働く。
生えている物、さしてある物の、土・皮膚などの中にはいっている部分。物のもとの方の、他の物にしっかり付いている部分。 「歯の-」 「腫れ物の-」
その結果を導いた原因・理由。もと。 「対立の-は深い」 「二つの事件の-は同じだ」
人の本来の性質。 「 -が明るい」 「 -は良い人なんだが」
髪を一つに束ねて、髷まげの土台とするところ。
釣りなどで、海底の岩礁帯。魚礁。
名詞の下に付いて、複合語をつくる。
地上に立っている、生えている、の意を表す。 「岩-」 「垣-」 「草-」
語調を整えるのに用いる。 「杵-」 「島-」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


こん
root

数学用語。解 solutionともいう。方程式 f(x)=0 に対して f(a)=0 となるような a を,この方程式 f(x)=0 の根または解という。また一般に体 K の上の多項式 f(x) において,f(a)=0 であるような aK を,f の根 (または零点) という。それで,f の根 af(x)=0 の解 a というように,「根」と「解」を使い分ける人もあるが,通常は混用する。特に代数方程式に対して,伝統的に使われる。


こん
indriya

一般には,能力,増上,機関という意味であると解される。仏教では6つの感覚器官である眼,耳,鼻,舌,身,意を六根と呼んでいるが,これは,これらの器官が感覚させる能力をもっているところから根と名づけられた。また信も,その増上力 (すぐれた力) によって悟りに向わせようとするから,信根と呼ばれている。


こん

」のページをご覧ください。



root

維管束植物の地下器官で,茎や葉とともに主要な器官の一つとなっている。地中に伸びて植物体の地上部を支え,また土壌から水分とこれに溶存する無機物を吸収する。デンプンその他の養分貯蔵の役割を果すものも多い。多くの双子葉植物では,胚の一端である幼根が発芽とともに伸び,生長して主根となり,多数の側根を出し複雑に分枝した根系をつくる。単子葉植物では一般に主根の発達が悪く,茎の基部に多くの不定根がつくられ,いわゆるひげ根となる。根の先端には根冠があり,内部にある生長点を保護している。根は生長点における細胞増殖と,少し離れた部分の細胞伸長により生長するが,この部分では表皮に無数の根毛がつくられ,表面積を増して能率よく水分を吸収する。根はその働きにより貯蔵根,支柱根,呼吸根,付着根,寄生根などいろいろな種類がある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こん【根】

〘名〙
もと。もとい。はじめ。おこり。ね。根源。起源。淵源。
② (indriya の訳語。能生、増上の義) 仏語。ある働きを起こす力をもったもの。感覚を起こさせる眼・耳・鼻・舌・身を五根、それに思惟を起こさせる意を加えて六根という。
※法華義疏(7C前)一「但衆生宿殖善微、神闇根鈍」
③ (②から転じて) 忍耐力。気力。根気。精力。
洒落本傾城買四十八手(1790)しっぽりとした手「だいいち、こんがわるくなって、一ッぱい呑むとぐっとねるから」
④ 性器。また、男根。
※史記抄(1477)五「隠宮とは男女の根をきりとぢられたる刑人ぞ」
⑤ 方程式を満足させる値。主に一元代数方程式に対していう。解。
平方根、立方根など羃根(べきこん)の総称。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
⑦ 化学反応で分解しないで他の化合物に移ることの多い原子団。基(き)。〔稿本化学語彙(1900)〕

ね【根】

[1] 〘名〙
[一] 高等植物の基本的な器官の一つ。普通は地中にあって、植物体の支持および、水と栄養分の吸収を主な機能とする。一般に先端に根冠と根毛を持つ。通常の働きをするもののほか、水根、気根、呼吸根、同化根、寄生根などの変態根がある。
※古事記(712)下・歌謡「竹の泥(ネ)の 泥(ネ)足る宮 木の泥(ネ)の 泥(ネ)蔓ふ宮」
※後撰(951‐953頃)恋四・八四四「枝もなく人に折らるる女郎花ねをだに残せ植ゑし我がため〈平希世〉」
[二] 物の基礎となり、それを形づくる根本となる部分。ねもと。つけね。
① 生えているものの下部。毛、歯などの生えているもとの部分。
※万葉(8C後)四・五六二「いとま無く人の眉(まよ)(ね)をいたづらに掻かしめつつもあはぬ妹かも」
※あきらめ(1911)〈田村俊子〉七「頭髪の根が痛くって仕様がないよ」
② 立っているものが、地に接する部分。ふもと。すそ。
※書紀(720)神代上(兼方本訓)「譬ば海(うな)の上(うへ)に浮(うか)べる雪の根(ネ)係所(かかること)(な)きが猶し」
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉五一「手水鉢(てうづばち)の根に金が埋めて有るから」
③ 髪を束ねて結ぶところ。もとどり。
※洒落本・遊子方言(1770)発端「髪がとんだやぼた。どうぞもう五ぶほど、ねをあげて、はけさきを、すっと、ひっこきとしたい」
④ やじり。
※経覚私要鈔‐嘉吉四年(1444)一月六日「矢三腰、同根一腰」
⑤ できもの、はれものなどの内部の固い部分。
※小右記‐長元五年(1032)一二月二五日「所労熱物口三分許、基底有白物云々。根未出」
※史記抄(1477)一四「腫の根が益ひろごりて」
⑥ 釣りや漁業で、水底にある岩礁などの障害物をいう。
※河羨録(1743頃か)上「根の字もと訓、総て魚は瑰石の陰に宿す、魚の根と云心と云り」
⑦ 地下。→根国(ねのくに)
※書紀(720)神代上(兼方本訓)「急(すみや)かに底(そこつ)(ネ)の国に適(い)ねといひて」
[三] 裏面にかくされた本性。また、その結果を誘引した原因。
① ことの起こり。起源。もと。根本。原因。根拠。ねもと。
※源氏(1001‐14頃)紅梅「同じ花の名なれど、梅は生ひ出でけむねこそ哀なれ」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)六「商の心ざしは、根をおさめてふとくもつ事かんようなり」
② 本性。生まれつき。また、心の根本。性根
※井蛙抄(1362‐64頃)六「おのがねの心おとりせられまゐらせじとて、げざんはし候はぬぞ」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)四「みんな根が下主(げす)でございますから」
③ 心中にわだかまって、あとまで残るもの。名残り。未練。また、遺恨。
※洒落本・五大力(1802)発端「三五兵衛様が其事を根(ネ)に思って居て」
[2] 〘接尾〙 (名詞に付く)
① 生えている意、地上に立っている意などを添える。「岩ね」「垣ね」「木ね」「草ね」など。
② 語調を整える。「杵(き)ね」「島ね」など。

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世界大百科事典内のの言及

【解】より

…微分方程式の場合のように,解が関数である場合もある。代数方程式の解は根とも呼ばれるが,根と解とには,考え方に差異があるので,その説明から始めよう。
[根]
 係数が複素数の多項式f(x)=a0xna1xn-1+……+an(a0≠0)は,と因数分解する。…

【六境】より

…仏教では,認識作用の対象(対境)を〈境(きよう)〉という。認識する感覚器官とその働きを合わせて〈根(こん)〉といい,眼(げん)(見る),耳(に)(聞く),鼻(び)(嗅ぐ),舌(ぜつ)(味わう),身(しん)(触れる)の五根にはそれぞれ対応する対象があり,それらを順次に色境(しききよう)(いろ・かたち),声境(しようきよう)(声や音),香境(こうきよう)(香りや臭気),味境(みきよう)(甘・辛などの味),触境(しよくきよう)(触覚による冷・暖,堅・軟など)の五境とする。これら五根・五境のほか,意根の対象として法境(ほうきよう)を立て,合して六根・六境とする。…

【化学】より

…まったく性質が異なるのに同一組成をもつ化合物がJ.F.vonリービヒとウェーラーによって発見され,これらは互いに異性体であるといわれるようになった。彼らはまた,多くの有機物に共通して含まれる原子団(基)があり,これらは簡単な無機物における根の役割を果たすことを認めた。〈基〉(根ともいう)の発見は有機物の構造理論の最初の手がかりとなった。…

※「根」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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