(読み)かぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


かぶ

職業,営業上の特権。また江戸時代,売買された名跡や役目をいう。農山漁村の共有の山林,原野,漁場などの利用および収入の分配権などから起った。江戸時代,社会の各分野で世襲制度が確立し,固定するとともに株は一つの権利となり,売買,譲渡の対象にもなった。両替屋株,米仲買株,御家人株,名主 (なぬし) 株などがあった。現代では株式の略称として用いられる。 (→株仲間 )  

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デジタル大辞泉の解説

かぶ【株】

[名]
切り倒した木や、刈り取った稲などの、あとに残った根元の部分。切り株や刈り株。くいぜ。
草木の、何本にも分かれた根元。「菊のを分ける」
株式株券

㋐特定の身分・地位または職業上・営業上の権利・資格・格式。「相撲の年寄
「このまま家(=芸者屋)の―をそっくり譲ってやりたいと」〈荷風腕くらべ
㋑江戸時代、株仲間の一員として持つ特権。また、御家人(ごけにん)名主(なぬし)などの身分・地位を世襲・継続する特権。売買の対象ともなった。
その仲間・社会で評価を得ていること。また、その評価。「日本のが上がる」
その人特有の癖。得意なわざ。現代では「おかぶ」の形で用いる。→御株(おかぶ)
「このばあさまは…泣きごとばかりいふが―なり」〈滑・浮世風呂・二〉
[接尾]
助数詞。
㋐根のついた草木を数えるのに用いる。「カンナ三
株式株券を数えるのに用いる。
名詞に付いて、その地位・資格を持つ者の意を表す。「兄貴」「番頭

くいぜ〔くひぜ〕【株/×杭/×杙】

《古くは「くいせ」とも》木の切り株。また、くい。

しゅ【株】

[名]切り倒した木などの、あとに残った根元。かぶ。きりかぶ。
[接尾]助数詞。立ち木の数を数えるのに用いる。「老梅一

しゅ【株】[漢字項目]

[音]シュ(漢) [訓]かぶ くいぜ
学習漢字]6年
〈シュ〉
木の切りかぶ。くいぜ。「守株
根のついた草や木。「雌雄異株
〈かぶ〉「株価株主親株子株新株根株古株
[名のり]もと・より

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大辞林 第三版の解説

かぶ【株】

[0] ( 名 )
木を切り倒したあとに残った部分。きりかぶ。 「木の-」
植物の根のついたひとまとまり。 「 -分け」
職業上・営業上の特権。 「相撲の年寄の-」
江戸時代、売買の対象とされた名跡や役職など。 「御家人-」
株式会社の株式。株券。
株券・証券の取引。 「 -に手を出す」
その人の得意の技能。 → おかぶ
ある社会での、その人の人気や評価。 → 株が上がる
菌・バクテリア・培養細胞を純粋に分離培養したもの。菌株きんかぶ
( 接尾 )
助数詞。
根のついた草木を数えるのに用いる。 「バラを一-植える」
株券の数を数えるのに用いる。 「株を千-買う」
菌株きんかぶや培養細胞の純系の数を数えるのに用いる。
名詞に付いて、そういう身分・地位・役割である意を表す。 「親分-」 「姉御-」

しゅ【株】

[1] ( 名 )
かぶ。きりかぶ。
( 接尾 )
助数詞。立ち木の数を数えるのに用いる。 「一-の老樹」
[句項目] 株を削り根を掘る

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


かぶ

特定の集団が、その構成員を身分・資産・業務などによって限定して認めた場合、その資格が権利化したものをいう。封建的な身分制度が確立した江戸時代に、身分、格式、業務が世襲継承され固定してくると、これが株となった。株には、主として社会的理由によるものと、経済的理由によるものの2種類が考えられる。たとえば武士の御家人(ごけにん)株、郷士(ごうし)株、町人の名主株、家主株、農民の百姓株などは前者であり、商人、職人などが営業上の利益のために結成した仲間組合の株などは後者の例である。株は権利であるから売買、譲渡が行われた。しかし御家人、名主のような身分は、実質上株化して売買されていても、形式上は養子相続などの形をとり、表面には現れない。しかし商人、職人仲間の株などは領主にも公認され、株仲間などがつくられた。[村井益男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かぶ【株】

[1] 〘名〙
① 植物の根もと。
(イ) 木を切った後に残った幹または根。きりかぶ。くいぜ。
※玉塵抄(1563)一〇「枯れ朽た木のかぶに芝菌のくさびらがはゆるぞ」
(ロ) 植物の何本にもなった根もと。株立ち。
※御湯殿上日記‐文明一八年(1486)正月八日(頭書)「うちのちおん院より、なんてんのかふともあまたまいる」
② 他に対して占める地位、身分。
(イ) 近世、官許された特定の業者仲間の組合員や御家人、名主、家主などが世襲、継続した地位、身分、格式、業務。その数が限定されて権利となり、売買・譲渡の対象となった。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一一「或はかね初瀬の寺に聞ゆなる 酒の家符(カフ)の下陰」
(ロ) 広く職業・営業上での特権、地位、資格、役職をいう。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二「二年懸工みて舟を作られたり 商売替て酒の大家符」
(ハ) 一般に、身分。家柄。一族。
※人情本・清談若緑(19C中)二「旦那もまたこの土地では、名も知られた株(カブ)で居ながら」
③ その人の持ち前となっている動作、状態。特有のくせ。独特の点。得意な点。持ちまえ。おかぶ。お得意。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一(1761)義三「中宿の女房は毒をかぶにして」
④ 「かぶしき(株式)」「かぶけん(株券)」の略。また、その売買。
※会社弁(1871)〈福地桜痴〉諸会社取建の手続大要「会の大小に応じ財本の高を割り、何百両又は何千両を以て一株と定むべし。之を会社の株と唱ふ」
[2] 〘接尾〙
① 根のついた植物を数えるのに用いる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・続猿蓑(1698)春「一かぶの牡丹は寒き若菜かな〈尾頭〉」
② 菌、バクテリア、培養細胞等を数えるのに用いる。
③ 株券を数えるのに用いる。「本日の出来高九千万株」
④ (名詞の下につけて) そういう身分、資格を持つ者の意を表わす。
※黄表紙・金々先生栄花夢(1775)「なんでも江戸へ出で、番頭かぶとこぎつけ」

しゅ【株】

[1] 〘名〙 かぶ。きりかぶ。くいぜ。
[2] 〘接尾〙
① 竹、もしくは竹製品を数えるのに用いる。
※延喜式(927)三二「麁筥十五合〈略〉箸竹二百六十株」
② 草木の数を数えるのに用いる。
※菅家文草(900頃)三・舟行五事「一株磯上松、巉嵒礒勢重」 〔蜀志‐諸葛亮伝〕

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世界大百科事典内のの言及

【株券】より

…株主の地位すなわち株式を表章する有価証券。株主の地位は利益配当請求権や株主総会における議決権その他の権利を伴っているので,株券とはこのような権利を表章する有価証券ということができる。…

【株式】より

…株主の地位を株式という。株券のことを株式ということもあるが,法律上の用語ではない。…

※「株」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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