精選版 日本国語大辞典「椹」の解説
さわら さはら【椹】
〘名〙 ヒノキ科の常緑高木。各地で広く植栽されるが、本州や九州に自生が知られている。高さ三〇~四〇メートル、径一メートルに達する。ヒノキに似ているが樹形はより鋭い円錐形をなす。葉は扁平な鱗状で小枝や細枝に対生状に圧着し、小枝がちょうど一枚の葉のようになる。葉の先端はとがり、裏面の白斑がいちじるしい。雌雄同株。果実は球形の毬果で径七ミリメートルぐらい、一〇または一二個の鱗片からなり、黄褐色。種子は長さ約二ミリメートル、幅約四ミリメートルで翼がある。材はヒノキより軟らかいが湿気に強いことから、桶(おけ)材や、障子・ふすまの組子に使う。漢名に花柏を当てるが誤用。さわらぎ。
※宝慶記(1253)「莫レ喫二諸椹一」 〔易林本節用集(1597)〕
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