日本歴史地名大系 「権現山五一号墳」の解説
権現山五一号墳
ごんげんやまごじゆういちごうふん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
兵庫県たつの市御津町中島(みつちょうなかしま)の権現山の頂にある前方後方墳。1989年(平成1)に近藤義郎によって調査された。墳丘は全長42.7メートル、後方部長が23.7メートル、前方部長が19.0メートルである。墳丘斜面には葺石(ふきいし)があり、崩落土から出土した特殊器台型埴輪(はにわ)・特殊壺(つぼ)型埴輪の状況から、これらが墳丘に立て並べられていたことが推測される。
埋葬主体は、後方部に墳丘主軸と直交して設けられた竪穴(たてあな)式石室である。副葬品には三角縁神獣(さんかくぶちしんじゅう)鏡5、紡錘車型貝製品2、ガラス小玉172、銅鏃(どうぞく)6、鉄鏃7、鉄鑓(てつやり)4、鉄剣1、有袋鉄斧(てっぷ)3、鉄鎌1、鑿(のみ)7、鉇(やりがんな)3、鉄鋸(てつのこぎり)1、砥石(といし)1がある。遺存していた人骨から壮年後半から熟年の男性被葬者が推定されている。
権現山古墳は、古式な三角縁神獣鏡の組合せと特殊器台型埴輪・特殊壺型埴輪がいっしょに出土している例として、畿内(きない)中枢の勢力と吉備(きび)の勢力との関係をとらえるうえで貴重な存在といえよう。
『近藤義郎編『権現山51号墳』(1991・権現山51号墳刊行会)』
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