(読み)カバ

デジタル大辞泉 「樺」の意味・読み・例文・類語

かば【×樺】

カバノキおよび近縁種総称。特に、シラカバをさす。 花=春》
かば2」に同じ。
[類語]樺の木白樺岳樺だけかんば

かにわ〔かには〕【×樺/桜皮】

シラカバの古名か。この木の皮を刀や弓の柄に巻いたり、舟や器物に巻いたという。
「―巻き作れる舟に」〈・九四二〉

かんば【×樺】

《「かには」の音変化》「かば(樺)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「樺」の意味・読み・例文・類語

かば【樺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かにわ(樺)」の変化した語 )
  2. 元来は、樹皮をさしていったのであろうが、転じて植物名ともなったらしく、ウワミズザクラウダイカンバである可能性が強い。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  3. カバノキ科カバノキ属の植物を総称していう。ダケカンバ、シラカバ、ウダイカンバなどで、古くは、とくにウダイカンバをさしていった。かばのき。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
  4. 経木(きょうぎ)の曲物(まげもの)の綴じつけや、弓の鳥打(とりうち)の上下、矢羽の上下などに巻く檀(まゆみ)や桜の白皮(あまかわ)。檀の皮を真樺(まかば)といい、桜の皮を鶉目樺(うずらのめかば)という。
    1. [初出の実例]「まとに見る人しなければ梓弓かは離れたるここちこそすれ」(出典:弁乳母集(11C後か))
  5. 儀仗の弓の名所。上の鳥打をはさんで二か所、下に一か所、鳥子(とりのこ)または檀紙を巻いて古様の樺巻(かばまき)名残を示しているもの。
  6. 色の名。樺色(かばいろ)。ただし、これは「かば(蒲)」の誤用
    1. [初出の実例]「染色は黄と椛(カバ)と、黒と、此三色多し。〈略〉椛(カバ)秋冬の内、またみと称る木の皮を煎じて、染る事又三十遍ばかりにして、色を出す事前のごとし」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)後)

かにわかには【樺・桜皮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 上代においては、舟に巻いたり、種々の器物に張ったり、曲げ物などを縫い合わせたりするのに用いられた樹皮をいう )
  2. 植物「うわみずざくら(上溝桜)」の古名。また、その樹皮。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「二人求木 一人採賀爾葉」(出典:正倉院文書‐天平宝字六年(762)三月二五日・山作所告朔解)
  3. 植物「うだいかんば(鵜松明樺)」の古名。また、その樹皮。〔十巻本和名抄(934頃)〕

かんば【樺】

  1. 〘 名詞 〙かば(樺)

▼かんばの花《 季語・春 》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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普及版 字通 「樺」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

(旧字)
16画

[字音] カ(クヮ)
[字訓] かば

[字形] 形声
声符は(華)(か)。〔玉〕に「木皮は以て燭と爲すべし」とみえる。を巻いて用いた。わが国では「かには」といい、〔万葉集〕に「櫻皮(かには)まき」という語があり、〔日辞書〕にも「櫻の樹皮」と解している。のち白樺をいう。

[訓義]
1. かば、しらかば。
2. かばいろ。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕 邇波(かには)、今櫻皮に之れり。木名、皮は以てと爲すべきなり 〔立〕 カハ・カニハ・カルム 〔字鏡集 カハ・マツカニ・ワカツリ

[熟語]
樺巾・樺燭・樺皮・樺木

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動植物名よみかた辞典 普及版 「樺」の解説

樺 (カバ)

植物。カバノキ科カバノキ属の落葉高木の総称。カバノキの別称

樺 (カバ・カンバ)

植物。カバノキ科の落葉高木,園芸植物。シラカンバの別称

樺 (カニワ)

植物。上溝桜・鵜松明樺の古名

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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