欠ける(読み)カケル

デジタル大辞泉 「欠ける」の意味・読み・例文・類語

か・ける【欠ける/×缺ける/×闕ける】

[動カ下一][文]か・く[カ下二]
かたい物の一部分が壊れてとれる。「コップが―・ける」「歯が―・ける」
そろうべきものの一部分、または必要なものが抜けている。脱落する。「メンバー一人―・ける」「百科事典一巻―・けている」
あって当然のものが必要なだけない。足りない。不足する。「千円に一円―・ける」「常識に―・ける」「協調性に―・ける」
なすべきことをしていない。おろそかになる。「礼儀に―・ける」「義理に―・ける」
(「虧ける」とも書く)満月が次第に円形でなくなる。「月が―・ける」⇔満ちる
[類語](1壊れる破損する毀損きそんする損傷する損壊する損ずるこぼれる傷付くひしげるつぶれる砕ける割れるいかれるポシャる破れる/(2空く減るあく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「欠ける」の意味・読み・例文・類語

か・ける【欠・缺・闕】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]か・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 物の一部分がこわれる。一部が削られて取れる。
    1. [初出の実例]「劔の刃(は)、少しき(カケ)ぬ」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
    2. 「くびのまはりかけて血垂り」(出典:徒然草(1331頃)五三)
  3. 太陽や月の一部が見えなくなる。
    1. [初出の実例]「日月も蝕(カケ)て光り無けむ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
  4. 度合、数量などが減る。あるべきものがなくなる。不足になる。
    1. [初出の実例]「諸根具足して欠(カクル)こと无く」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
    2. 「女のたのしみかけて無理に堪忍せねばならぬ」(出典:浮世草子・色里三所世帯(1688)上)
  5. そろっているはずのもの、続くはずのものの一部が抜ける。
    1. [初出の実例]「滝屋(たきつや)の 阿後尼(あごね)の原を 千歳(ちとせ)に 闕(かくる)事なく 万歳(よろづよ)に あり通はむと」(出典:万葉集(8C後)一三・三二三六)
    2. 「わが身、父方の祖母の家をつたへて久しくかの所に住む。その後、縁かけて身衰へ」(出典:方丈記(1212))
  6. なすべきことがいいかげんになる。おろそかになる。
    1. [初出の実例]「国民たる義務が欠けますから」(出典:琵琶伝(1896)〈泉鏡花〉二)

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