デジタル大辞泉
「砕ける」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くだ・ける【砕・摧】
- 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]くだ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 - ① 物に力が加わって小さくこわれる。割れてこなごなになる。
- [初出の実例]「空より落ちて死ぬ。彼(そ)の身摧(クダケ)損ふこと、笇(さん)の嚢に入れるが如し〈真福寺本訓釈 摧 クタケ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
- 「おほうみのいそもとどろによするなみわれてくたけてさけてちるかも」(出典:金槐和歌集(1213)雑)
- ② 勢力がなくなる。勢力が弱まる。
- [初出の実例]「摧殄 音最 訓久太久、下徒典反、病也、尽也、滅也」(出典:新訳華厳経音義私記(794))
- 「身命を摧き残ひ、盛壮なるを衰へ折(クタケ)しむるぞ」(出典:石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六)
- ③ あれこれ思い悩む。さまざまに思いみだれる。気がよわる。心がよわる。
- [初出の実例]「むらきもの情(こころ)摧(くだけ)てかくばかり我(あ)が恋ふらくを知らずかあるらむ」(出典:万葉集(8C後)四・七二〇)
- 「風吹ばいはうつなみのおのれのみくだけてものをおもふころかな」(出典:伊勢集(11C後))
- ④ 形や姿がきちんと整わなくなる。しまりがなくなる。散漫になる。
- [初出の実例]「まれまれ得たれども昔をへつらへる心ことなれば、いやしくくだけたる様なり」(出典:無名抄(1211頃))
- 「歌姿のあまりにくだけて侍る故か」(出典:落書露顕(1413頃))
- ⑤ うちとけた態度、雰囲気(ふんいき)になる。うちとける。親しみやすくなる。
- [初出の実例]「是は改った儀でござる。それなれば又くだけてはいられませぬ」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六)
- 「そのあと座はくだけて」(出典:湯葉(1960)〈芝木好子〉)
- ⑥ 事情が説明される。
- [初出の実例]「して、この始末はどう砕ける」(出典:歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)序幕)
- ⑦ 話などがわかりやすくなる。よくわかるようになる。
- [初出の実例]「この心理状態をもっと砕(クダ)けた言葉で云ひ直すと」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一一一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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