出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
米穀を中心とした商品取引市場のうち、おもに現物取引を行っていた市場。日本人にとって米は伝統的な基本食糧であり、主要農産物の地位にあったが、豊凶の差も激しく価格変動の大きい相場商品で、空(から)取引も一般的であった。1884年(明治17)の東京深川(ふかがわ)正米市場の開設を最初とし、1930年(昭和5)ごろには全国に29か所の正米市場が存在した。正米市場の開設により地域銘柄別の全国共通正米価格の形成が進み、倉庫証券、船荷証券等による米穀商間の売買が展開した。昭和初期以降、米穀統制法等による食糧確保をねらいとした国家統制が強化されると、正米市場の役割はしだいに失われ、やがて戦時統制下で廃止された。
[松元 宏]
『持田恵三著『米穀市場の展開過程』(1970・東京大学出版会)』▽『守田志郎著『米の百年』(1966・御茶の水書房)』
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