此花区(読み)コノハナク

デジタル大辞泉 「此花区」の意味・読み・例文・類語

このはな‐く【此花区】

此花

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「此花区」の解説

此花区
このはなく

面積:一〇・九七平方キロ

大阪市の北西部に位置する。北は新淀川を挟んで西淀川区、東は福島区、南は安治あじ川を挟んで西区および港区。西は大阪湾に臨む。区名は「古今集」の仮名序などにみえる古歌「なにはづにさくやこのはな冬ごもりいまははるべとさくやこの花」にちなんで名付けられた。当区域は、古くは中津なかつ川の下流に形成された砂洲が散在する地帯であった。中世末期、その一所に河港伝法口でんぽうぐちが成立し、石山いしやま本願寺(跡地は現東区)や豊臣氏時代の大坂城への物資補給地として、また交通の要衝として栄えた。江戸時代になっても木津川口と並ぶ大坂への海の玄関として繁栄、町場化も進んだ。また正保(一六四四―四八)頃から江戸積の廻船業者が出現、伊丹いたみ(現兵庫県伊丹市)・池田(現池田市)酒造の発展と相まって盛んとなり、樽廻船とよばれるようになった。貞享元年(一六八四)安治川開削により河港としての繁栄は奪われたが、職人・商人の町として栄えた。一方、安治川沿いには新地が形成され、当区域には安治川北あじかわきた一―三丁目が成立、大坂三郷に属し、船泊に伴う宿屋・遊所などで栄えることとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「此花区」の意味・わかりやすい解説

此花〔区〕
このはな

大阪市西部,大阪湾にのぞむ区。 1925年,第2次市域拡張に伴い新設。北を限る淀川,南を限る安治川両河川の河口付近に位置。かつてはアシの茂る州であったが,江戸時代に干拓町人請負新田として開かれた地で,現在も四貫島,春日出などの地名にその名残りがみられる。その後農業中心の田園地帯となったが,港湾用水に恵まれることから第1次世界大戦後,繊維,機械,化学などの工場が進出,現在では金属,造船,化学,機械,ガスなどの大工場が集中して重化学工業地域を形成,大阪の臨海工業地域の中心をなす。大阪北港があり,北港ヨットハーバーを含む。阪神高速5号湾岸線,国道 43号線,JR桜島線が通じる。面積 19.28km2。人口 6万5251(2020)。

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