歯舞諸島(読み)ハボマイショトウ

デジタル大辞泉 「歯舞諸島」の意味・読み・例文・類語

はぼまい‐しょとう〔‐シヨタウ〕【歯舞諸島】

歯舞群島

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精選版 日本国語大辞典 「歯舞諸島」の意味・読み・例文・類語

はぼまい‐しょとう‥ショタウ【歯舞諸島】

  1. 北海道根室半島先端の納沙布(のさっぷ)岬と、その北東方七三キロメートルの沖合にある色丹島との間に点在する諸島水晶・秋勇留(あきゆり)・勇留・志発(しぼつ)・多楽の各島からなる。昭和二〇年(一九四五ソ連軍の統治下に置かれる。タラ・カニ・コンブなどの宝庫として知られる。現在はロシア占領下にある。

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日本歴史地名大系 「歯舞諸島」の解説

歯舞諸島
はぼまいしよとう

根室半島納沙布のさつぷ岬の沖合に約五五キロにわたり北東方向に点在する島々水晶すいしよう秋勇留あきゆり勇留ゆり志発しぼつ多楽たらくの五島のほか、いくつかの岩礁よりなる。東端の色丹しこたん島は歯舞諸島には含まれない。納沙布岬から西端の水晶島までの距離は約七キロ、灯台のある岩礁貝殻かいがら島までは三・七キロにすぎない。第二次世界大戦前には珸瑶瑁ごようまい諸島もしくは水晶諸島とよばれていたが、行政的には根室半島先端の歯舞村に属していたので(珸瑶瑁村は大正四年から二級町村歯舞村の大字名となる)、戦後は島々の総称としてもっぱら「歯舞諸島」もしくは「歯舞群島」とよばれるようになった。

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改訂新版 世界大百科事典 「歯舞諸島」の意味・わかりやすい解説

歯舞諸島 (はぼまいしょとう)

北海道東端の納沙布(のさつぷ)岬の北東方,色丹(しこたん)島との間に点在する島々。第2次大戦前は水晶諸島と呼ばれていた。南西から順に並ぶ水晶島,秋勇留(あきゆり)島,勇留島,志発(しぼつ)島および多楽島の5島と,多くの小島からなる。水晶島と納沙布岬の間の珸瑶瑁(ごようまい)水道は幅約7kmで,本土に最も近い貝殻島との間は約3kmにすぎない。上記5島はいずれも面積は狭く,最大の志発島が45km2,最小の秋勇留島が5km2である。いずれも地形は低平な海食台地で,標高は15m以下のところが大部分で,最高でも勇留島の44mである。各島とも海岸は漁船係留可能な湾入に恵まれている。

 戦前は根室支庁花咲郡歯舞村に含まれ,約4500人が居住していた。住民の大半は漁業に従事し,コンブ採取を中心にタラ,カニ,ホタテガイなどを漁獲していた。住民が最も多かった志発島にはカニ缶詰の工場もあった。農業は夏季の海霧,日照時間の短いことなどから野菜類が漁家の自給用として栽培されていたにすぎない。1945年ソ連軍に占領され,住民は全員本土に引き揚げ今日に至っている。

 なお,北方領土問題については〈千島列島〉の項目を参照されたい。
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百科事典マイペディア 「歯舞諸島」の意味・わかりやすい解説

歯舞諸島【はぼまいしょとう】

北海道根室半島沖の諸島。水晶島,勇留島,秋勇留島,志発島,多楽島が主要島で約102km2。いずれも隆起海食台地からなり低平。漁業資源が豊富であるが,第2次大戦後ソ連が占領,ソ連船による日本漁船の捕獲事件がしばしば起きた。本土に最も近い貝殻島周辺のコンブ漁は1963年以来許されている。2008年3月,国土地理院によりその呼称を歯舞群島に変更。
→関連項目色丹島根室半島納沙布岬

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旺文社日本史事典 三訂版 「歯舞諸島」の解説

歯舞諸島
はぼまいしょとう

北海道根室半島沖,千島列島南端の島々。第二次世界大戦後,ソ連の占領下に置かれている
1956年10月調印された日ソ共同宣言では,歯舞・色丹は北海道の一部であるとのわが国の主張により,日ソ平和条約締結後は日本に引き渡されることが明記された。しかし'60年の日米新安全保障条約の調印に際し,ソ連は在日外国軍が撤退しない限り返還しないと声明。現在未解決である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歯舞諸島」の意味・わかりやすい解説

歯舞諸島
はぼまいしょとう

歯舞群島

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世界大百科事典(旧版)内の歯舞諸島の言及

【キャベツ】より

…日本への渡来は約800年前とされ,その後,17~18世紀に再導入され,《大和本草》(1709)に〈おらんだな〉〈さんねんな〉などの記録がある。しかし,これは非結球性の観賞用のハボタンのことで,野菜としての利用ではなかった。結球性のキャベツが導入されたのは安政年間(1854‐60),本格的には明治に入ってからのことで,明治初年には北海道や東北地方など欧米の気候に似た地域への導入が盛んに行われた。…

※「歯舞諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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