重力を利用した一種の簡単な湿式分級法。エルトリエーションelutriationとも呼ばれる。次のようなものがある。(1)粘土などの微細な固体粒子を水中に懸濁させ,しばらく放置すると,粗い粒子が微細な粒子よりも速く沈降するので,のちに容器を傾けるなどして沈積物から上液を分離し,そのことによってある程度の分級が可能である。(2)懸濁液を供給した容器の下部から連続的に給水を行うような方法で上昇流を発生させると,粒子の沈降速度と上昇流の速度との均衡関係により,やはり分級を行うことができる。(3)とい(樋)のようなほぼ水平の細長い水路に懸濁液を流してやると,粗い粒子がより速く沈降するため,微細粒子だけが水とともに流出する。窯業原料となる粘土鉱物から粗い粒子を分離・除去し,製品の品質を向上させるために広く用いられている水簸の方法としては,上記のうち(3)が最も一般的である。
執筆者:井上 外志雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一方,粘土に水を多量に加えてかき混ぜ,重い砂粒を沈殿させ,上の泥水を別の容器に移してその水分を蒸発させることで緻密な粘土を得ることができる。これを水簸(すいひ)(水飛,水漉とも書く)と呼び,磁器や高級な陶器の素地作りでは,今日も重要な工程である。なお別種の粘土を混ぜ合わせて好適な素地を作ることもある。…
※「水簸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新