収得税(読み)シュウトクゼイ

デジタル大辞泉 「収得税」の意味・読み・例文・類語

しゅうとく‐ぜい〔シウトク‐〕【収得税】

個人または法人一定期間に得る収入に対して課される租税所得税収益税とがある。

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精選版 日本国語大辞典 「収得税」の意味・読み・例文・類語

しゅうとく‐ぜいシウトク‥【収得税】

  1. 〘 名詞 〙 租税の一つ。各人の財産所得の所有ないし獲得に課する租税の総称。所得税と収益税とに分けられる。
    1. [初出の実例]「焼跡に仮小屋を建てても、収得税とか称する名義で税金が取られるのださうだ」(出典:人間嫌ひ(1949)〈正宗白鳥〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「収得税」の意味・わかりやすい解説

収得税 (しゅうとくぜい)

租税は経済活動のいろいろな側面に着目して課されるが,収得税は,納税者金銭あるいは物の形で収入を得ているという事実に着目して課される税である。収得税は所得税と収益税に分けられる。所得とは個人やその他の経済主体に関して観察された収入であり,収益とは収入を生み出す特定物体ないし生産要素に関して観察した収入である。両者は同じものを別の観点からみたものであるといえる。所得税は納税者を中心に課されるから人税とよばれ,納税者のおかれたいろいろな条件を考慮して税制を定めることができる。他方,収益税は納税者個人ではなく,生産要素や収入をもたらす物に着目して課税されるから物税という。

 所得税の例としては国の所得税や法人税をはじめ,地方税の個人住民税や法人住民税などがあげられる。収益税としては事業税などがあり,また過去の例や外国の例としては,地租,営業税,家屋税,資本利子税,配当利子特別税,鉱区税,戦時利得税,超過利得税,選択雇用税などがある。収益税の一つの特徴は,外形標準による課税であることである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「収得税」の意味・わかりやすい解説

収得税
しゅうとくぜい

個人または法人が一定期間に得る財に対する税の総称であり、所得税と収益税に分けられる。所得とは経済単位である個人や法人に着目して観察した財の取得であり、収益というのはそれを産み出す収益物体である土地家屋、営業などの観点から観察した財の取得である。所得税は納税者を中心に課されるから人税とよばれ、収益税は収益をもたらす物体に着目して課税されるから物税といわれる。所得税の例としては、国税の所得税や法人税、地方税の住民税などがあげられ、収益税の例としては、地方税の事業税や鉱区税などがあげられる。

[林 正寿]

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百科事典マイペディア 「収得税」の意味・わかりやすい解説

収得税【しゅうとくぜい】

課税対象による税の分類の一つで,人が一定の収入を得ているという事実に基づいて課する税。基幹をなす所得税のほか収益税,特別所得税(超過所得税,戦時利得税など)を含む。今日租税体系の中心をなす。
→関連項目財産税

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世界大百科事典(旧版)内の収得税の言及

【租税】より

…なお〈直間比率〉とは,全租税収入に占める直接税収入と間接税収入の割合を一般には意味する。(2)課税の対象によって分類すると,収得税,所有税(資産税),消費税の三つに分かれる。納税者が一定の収入を得ているという事実にもとづいて課税するのが収得税,一定の資産を所有しているという事実にもとづいて課税するのが資産税,特定の消費をしているという事実にもとづいて課税するのが消費税である。…

※「収得税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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