海岸気候(読み)カイガンキコウ

デジタル大辞泉 「海岸気候」の意味・読み・例文・類語

かいがん‐きこう【海岸気候】

海岸特徴的な気候海洋気候内陸気候中間特性を示し、気温の年変化・日変化内陸より小さく、海陸風が発達する。

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精選版 日本国語大辞典 「海岸気候」の意味・読み・例文・類語

かいがん‐きこう【海岸気候】

  1. 〘 名詞 〙 海洋気候の一種。海岸沿いの陸地に発達する気候で、気温の年変化・日変化が小さいこと、海陸風が発達すること、潮風影響を受けることなどを特徴とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海岸気候」の意味・わかりやすい解説

海岸気候
かいがんきこう

海岸沿いの陸地に卓越する気候。大洋上にある島にみられる温和な海洋性気候と似ているが、これと大陸性気候との間の漸移的な特徴を有する。大陸性気候に比べると、気温の日較差や年較差が小さく、暖まりにくく冷めにくい海水の熱容量の影響で、最高・最低温度が内陸より遅れて現れる。低緯度地方では一年中、海陸風が発達しやすいが、中・高緯度地方は主として暖候季に海風と陸風の日交替が顕著である。この海風や夏の季節風のように、海から陸への風が卓越する時期あるいは地域ほど海岸気候が明確となる。海からの風が寒流海上を吹走する場合(たとえば東北地方に吹く「やませ」など)は、海霧が濃く発達して内陸に侵入し、低温と日照不足で農業上冷害をもたらしたり、潮風で塩害を被ることがある。

[福岡義隆]

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改訂新版 世界大百科事典 「海岸気候」の意味・わかりやすい解説

海岸気候 (かいがんきこう)
coastal climate

海に面した陸地縁辺部にみられる特殊な気候で,海洋性気候と大陸性気候の中間的性格を有するが,やや前者に近い特性をもっている。気温の年変化・日変化が小さく,寒暑の厳しさが弱いのが特徴である。中緯度地方では霜・氷などの現象の出現が抑えられ,温暖で,細じんが少なく,紫外線が強いことなどのために保養地などに適している。海陸風が発達することも特色で,低緯度地方では年中,中緯度地方では暖候季を中心に昼間は海風が,夜間は陸風が吹く。この海風と陸風が交替するころに一時風がやみ,いわゆる〈なぎ〉の現象が生じ,むし暑く感ずる。海岸気候では潮風の影響や海霧の侵入する地域,台風の襲来をしばしば受ける地域などもある。海岸気候の発達状態は卓越風と背後の地形条件で著しく異なる。海から陸に向かう風が卓越する地域ではよく発達するが,山地が海岸に迫っているところではあまり発達はよくない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海岸気候」の意味・わかりやすい解説

海岸気候
かいがんきこう
littoral climate

海岸に面した陸地にみられる気候。海洋性気候大陸性気候の中間の性質を示す。日中には海風が,夜間には陸風が発達することが特色で,低緯度地方では年中,また中・高緯度の地方では暖候季を中心として規則的な風向の変化をみせる。なお季節風の卓越する地方では夏季は海洋性,冬季は大陸性の気候となる。

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百科事典マイペディア 「海岸気候」の意味・わかりやすい解説

海岸気候【かいがんきこう】

海岸に特徴的な気候。内陸に比べて気温の年変化,日変化が小さい。海陸風が発達する。風速が大きい。

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