消化器系の検査

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「消化器系の検査」の解説

消化器系の検査

消化器系のおもな検査と病気


●上部消化管X線造影検査(→参照) 下部消化管X線造影検査(→参照

 ⇒〈上部〉では食道から十二指腸までの潰瘍・がん・ポリープ、小腸腫瘍など、〈下部〉では大腸のがん・ポリープ・潰瘍、などを検査します。

●上部消化管内視鏡検査(→参照) 下部消化管内視鏡検査(→参照

 ⇒〈上部〉では食道から十二指腸までの潰瘍・がん・ポリープなど、〈下部〉では大腸のがん・潰瘍・ポリープ・結核などを検査します。

●腹部超音波検査(→参照

 ⇒腹部にある臓器(肝、胆、膵、じん子宮など)を検査します。

●腹部CT検査(→参照

 ⇒腹部にある臓器(肝、胆、膵、腎、脾、子宮など)を検査します。

●MR検査(→参照

 ⇒腹部にある臓器(肝、胆、膵、腎、脾、子宮など)を検査します。

●その他

 腹部単純X線撮影検査(→参照)、胆嚢胆管造影検査(→参照)、逆行性膵胆管造影検査(→参照)、腹部血管造影検査(→参照)などを行います。

 口から入った食物は、食道を通って胃で撹拌かくはんされて消化が始まり、小腸で消化・吸収されて、不要なものは大腸で便となって排泄されます。このメインストリートをとり巻いて、肝臓やすい臓、胆嚢たんのうなどがさまざまな働きをしています。一般に、食道から小腸までを上部消化管、大腸を下部消化管と分けて呼んでいます。

 消化器系のおもな病気には、以下のようなものがあります。がんについては、「がんの検査 遺伝子の検査」以降を参照してください。

●胃・十二指腸潰瘍

 胃または十二指腸にできた潰瘍。おもな症状は、上腹部(みぞおちあたり)の痛み、背中の痛みなど。胃潰瘍は食後まもなくの痛み、十二指腸潰瘍は食後2~3時間たってからや空腹時の痛みが特徴。

●胆石

 胆嚢や総胆管の中に石ができる病気。おもな症状は、右の上腹部から右背部にかけての激しい痛み、発熱、黄疸など。

●脂肪肝

 肝臓の細胞に中性脂肪(トリグリセリド)がたまった状態。症状はほとんどなし。

●急性膵炎

 膵臓は消化酵素を含む膵液を分泌しているが、突然、その消化酵素が膵臓自体を消化してしまう病気。おもな症状は、上腹部の激しい痛み、左背部の痛みなど。

●潰瘍性大腸炎

 大腸の粘膜に幅広く、びらんや小潰瘍ができる原因不明の病気。おもな症状は、下痢(1日数回~10数回)、粘血便、腹痛、体重減少など。

●食道静脈りゅう

 食道粘膜下の静脈が異常に拡張し、食道の内腔こぶ状に突出する病気。おもな症状は吐血下血など。

●イレウス(腸閉塞)

 腸の中が完全に塞がった状態。おもな症状は、激しい腹痛、腹部膨満嘔吐おうと、便やガスが出ないなど。

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報

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