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消費性向 しょうひせいこうpropensity to consume

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

消費性向
しょうひせいこう
propensity to consume

所得のうちどれだけを消費にあてるかを示す割合。全所得のうち消費にあてられる割合を平均消費性向,所得の増加分のうちの消費の増加分にあてられる割合を限界消費性向と呼ぶ。消費者の行動を表わすもので,これに影響を与えるものとして物価水準,賃金単位の変化所得分布の変化,利子率の変化,社会の慣習,制度,心理的要因などがあげられる。一般に所得の増加に伴い消費性向は逓減する傾向にあり,所得階層が高くなると低下する。ケインズ経済学において乗数理論の中核をなす概念である。

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百科事典マイペディアの解説

消費性向【しょうひせいこう】

一国の全体としての消費は所得に依存すると想定する場合,所得ないし可処分所得のうち消費支出される割合をいう。ある期間における所得ないし可処分所得と消費の増分比率を限界消費性向という。
→関連項目家計貯蓄性向

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうひせいこう【消費性向 propensity to consume】

ある一定期間に得た所得のうち,何割を消費にふりむけるかを示した消費行動の特性をいう。所得のうちどれだけを消費にふりむけるかは,個々人,もしくは個々の家計の嗜好条件や心理的条件などが影響して決まるはずである。消費性向では,通常所得と消費の平均的比率(=消費/所得)で定義する平均消費性向と,所得・消費のある期間内の増分の比率(=消費の増分/所得の増分)で定義する限界消費性向とは必ずしも等しくならず,それを区別して用いる場合が多い。

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大辞林 第三版の解説

しょうひせいこう【消費性向】

所得のうちで消費に使われる割合。平均消費性向と限界消費性向とに区別される。 ↔ 貯蓄性向

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

消費性向
しょうひせいこう
propensity to consume

消費の所得に対する割合をいう。個人は所得から種々の欲望を満たすために消費を行い、消費に支出されなかった所得が貯蓄される。消費性向は平均消費性向と限界消費性向とに分けて考えられる。いま、消費をC、所得をYと表せば、C/Yが平均消費性向であり、消費と所得のある期間の増加分をそれぞれΔCΔYと表せば、ΔC/ΔYが限界消費性向である。一般には限界消費性向は逓減(ていげん)すると考えられている。その理由は、所得が増加するにしたがって個人の欲望の満足される度合いは高まり、所得の増加に比較して消費支出の増加はしだいに小さくなってくると考えられるからである。したがって限界消費性向の逓減につれて平均消費性向も低下する。消費性向の大きさは各国の制度的要因、人々の生活慣習に依存しており、短期的には安定していると考えられる。
 所得は消費に支出され、残余が貯蓄となるので、消費性向と貯蓄性向との間には、
  消費性向=1-貯蓄性向
という関係が恒等的に成立する。[鈴木博夫]

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