淡紅銀鉱(読み)たんこうぎんこう(その他表記)proustite

最新 地学事典 「淡紅銀鉱」の解説

たんこうぎんこう
淡紅銀鉱

proustite

化学組成Ag3AsS3鉱物三方晶系,空間群R3c, 格子定数a1.077nm, c0.867(arh0.686nm, α103°30.5′),単位菱面体格子中2分子含む。紅朱色柱状・短柱状または塊状劈開}明瞭,断口貝殻状~不規則でもろい,硬度2~2.5, 比重5.57。ダイヤモンド光沢条痕紅朱色。半透明。一軸性負,屈折率(Na)・多色性ω3.0877, O=血紅;ε2.7924, E=洋紅,中程度の反射多色性および顕著な反射異方性を示す。濃紅銀鉱と種々の割合で固溶体をつくる。濃紅銀鉱とともに金銀鉱脈中に産する。フランスの化学者J.L.Proust(1755~1826)にちなみ命名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「淡紅銀鉱」の意味・わかりやすい解説

淡紅銀鉱
たんこうぎんこう
proustite

銀を主成分とする硫塩鉱物の一つ。ルビー・シルバーともよばれる。黄粉銀鉱とは同質異像関係にあり、おそらくその高温相に相当する。各種熱水鉱脈鉱床中に産し、脈石鉱物として石英のほかに炭酸塩鉱物を含むことが多い。肉眼ではそのアンチモン(Sb)置換体である濃紅銀鉱と区別しがたい。まれに六角柱状の自形をなすことがある。日本では栃木県塩谷(しおや)郡栗山村(現、日光(にっこう)市)西沢鉱山閉山)の銀鉱石中から最初に発見され、その後兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)からも発見された。英名は、最初に本鉱の化学成分を決定したと伝えられるフランスの化学者J・L・プルーストにちなむ。

[加藤 昭 2017年9月19日]


淡紅銀鉱(データノート)
たんこうぎんこうでーたのーと

淡紅銀鉱
 英名    proustite
 化学式   Ag3[AsS3]
 少量成分  Sb,Se
 結晶系   三方
 硬度    2~2.5
 比重    5.63
 色     深紅
 光沢    金剛
 条痕    鮮赤
 劈開    三方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「淡紅銀鉱」の意味・わかりやすい解説

淡紅銀鉱
たんこうぎんこう
proustite

Ag3AsS3 。三方晶系の鉱物。硬度2~2.5,比重 5.57。深紅色ないし朱色で,金剛光沢,半透明。三方錐を両端に有する柱状結晶。濃紅銀鉱との間に連続固溶体を形成するが,天然に産するものはいずれも端成分に近い組成をもっていて,中間的組成のものがない。各種熱水性銀鉱床に産するが,濃紅銀鉱よりも産出はまれである。 proustiteはフランスの化学者 J.プルーストにちなんで命名。

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世界大百科事典(旧版)内の淡紅銀鉱の言及

【銀鉱物】より

…銀を数%以上含む鉱物は約60種知られている。重要な銀鉱物としては,自然銀native silver Ag,輝銀鉱argentite Ag2S,角銀鉱cerargyrite AgCl,ナウマン鉱naumannite Ag2Se,安銀鉱dyscrasite Ag3Sb,ジャルパ鉱jalpaite Ag3CuS2,硫ゲルマン銀鉱argyrodite Ag8GeS6,硫シャク(錫)銀鉱canfieldite(別名,カンフィールド鉱) Ag8SnS6,ゼイ(脆)銀鉱stephanite(別名,ゼイ安銀鉱) Ag5SbS4,濃紅銀鉱pyrargyrite Ag3SbS3,淡紅銀鉱proustite Ag3AsS3,雑銀鉱polybasite(別名,輝安銅銀鉱) (Ag,Cu)16Sb2S11,ヒ(砒)雑銀鉱arsenpolybasite (Ag,Cu)16As2S11,ヘッス鉱hessite(別名,ヘッサイト,テルル銀鉱)Ag2Teなどがある。このほか四面銅鉱や方鉛鉱には銀を含むものがあり,鉱床内に多産する場合にはシルバーキャリアとして重要視される。…

※「淡紅銀鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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