黄粉銀鉱(読み)おうふんぎんこう(その他表記)xanthoconite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄粉銀鉱」の意味・わかりやすい解説

黄粉銀鉱
おうふんぎんこう
xanthoconite

銀とヒ素硫塩鉱物淡紅銀鉱とは同質異像関係にある。自形は六角板状。あるいはこれが横長になった板状または菱板状。多く皮膜状。深~中熱水性鉱脈型金・銀鉱床に産し、比較的晩期の生成物である。日本では栃木県日光(にっこう)市西沢鉱山(閉山)から微量を産していたことが知られている。

 共存鉱物は淡紅銀鉱、針銀鉱、自然砒(しぜんひ)、石英方解石苦灰石(くかいせき)、正長石重晶石など。同定は特徴のあるレモン黄~橙黄色と金剛光沢、ほぼ同色の条痕(じょうこん)、結晶形が観察できればその形態。平らな面に平行に明瞭(めいりょう)な劈開(へきかい)がある。英名はギリシア語で「黄色」と「粉末状」を意味する語の合成語である。

加藤 昭]


黄粉銀鉱(データノート)
おうふんぎんこうでーたのーと

黄粉銀鉱
 英名    xanthoconite
 化学式   Ag3[AsS3]
 少量成分  報告なし
 結晶系   単斜
 硬度    2~3
 比重    5.53
 色     レモン黄~橙黄,暗赤橙,黄褐
 光沢    金剛
 条痕    外観の色とほとんど同じ
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照)

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最新 地学事典 「黄粉銀鉱」の解説

おうふんぎんこう
黄粉銀鉱

xanthoconite

ザンソコナイトとも。化学組成Ag3AsS3の鉱物,単斜晶系,空間群C2/c,格子定数a1.200(1)nm, b0.626(1), c1.708(1), β110.0°,単位格子中の分子数8。淡紅銀鉱グループ。火閃銀鉱のAs置換体。淡紅銀鉱とは多形,黄粉銀鉱は低温型変態に相当。色:赤,橙,黄,褐色など,ダイヤモンド光沢,光を通す。条痕:橙黄色,透過光では黄色,光学的二軸性負,2V34°,屈折率:すべて>3,反射能29~32%(470nm),25~27(546),23~24(589),23~24(650)。0.5cm以下の板状,劈開{100}明瞭,硬度2~3,VHN25=71~93,比重5.45(計算値)。熱水性鉱脈鉱床から淡紅銀鉱・濃紅銀鉱・針銀鉱・自然砒・方解石と産出。原産地はドイツHimmelsfürst Fundgrube鉱山,栃木県西沢鉱山,兵庫県生野鉱山からも産出。命名は英語のyellowとpowderに対応するギリシア語に由来。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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