混作(読み)コンサク(その他表記)mixed cropping

デジタル大辞泉 「混作」の意味・読み・例文・類語

こん‐さく【混作】

[名](スル)同一の耕地に2種以上の農作物を同時に栽培すること。

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精選版 日本国語大辞典 「混作」の意味・読み・例文・類語

こん‐さく【混作】

  1. 〘 名詞 〙 同じ耕作地に二種類以上の作物を同時に同等に栽培すること。トウモロコシ大豆サツマイモと大豆など。→間作

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改訂新版 世界大百科事典 「混作」の意味・わかりやすい解説

混作 (こんさく)
mixed cropping

同じ畑に2種類以上の作物を同時期に栽植して,ほぼ重なる期間を通して栽培する作付けの方法。作物間に主副の差はない。その目的は,組み合わせた作物が相互に補い合って気象,病害虫等による諸障害を防ぎ,また生育の仕方の違いを活用して作物間の競合を減らしながら土壌養分や空間の効率的利用をはかることにある。その方法にはムギとレンゲソウ,トウモロコシとダイズのように数畦ずつ交互に配列して栽培する交互作と,ダイズ,スイカなどの低い草丈の作物の周りに草丈の高いトウモロコシを栽培する周囲作とがある。管理しにくく,機械作業に合わないなどのために,日本では小面積の自家用野菜作りなどにおいて行われているにすぎない。しかし,熱帯農業の場合は,アジア,アフリカ,中南米のいずれにおいても一般的な作付け様式である。トウモロコシとマメ類,サトウキビカウピーなど作物の組合せについても,また散播条播など栽培の様式についても多様な例がみられる。混作に似た方法で同じ目的をもつものに,数種類の作物の種子を混合して同時に播種する混播がある。混作のように,栽培された複数の作物を別々に収穫するものではなく,一つの作物のように考えて栽培する。イネ科牧草とマメ科牧草の混播,イタリアンライグラスとムギ類の混播など,飼料作物の栽培において行われる。
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百科事典マイペディア 「混作」の意味・わかりやすい解説

混作【こんさく】

2種以上の作物を同時に同じ畑に栽培し,作物間に主副の別がない作付様式。代表的なものは,イネ科とマメ科の数種の牧草の種子を混合してまく混ぜまきである。また交互作といって,2種以上の作物を一定の畝(うね)列ずつ交互に栽培するものも混作の一種で,トウモロコシとダイズの交互作などが行われる。混ぜまきは粗放栽培に属する例が多く,最大の利点は災害に対する危険分散にある。交互作は単作より集約栽培に属するもので,匍匐(ほふく)性と直立性,浅根性と深根性,養分吸収の差などを利用し,風害などの災害を防ぎ,栽培環境をよくすることにより,単作より多収になる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「混作」の意味・わかりやすい解説

混作
こんさく

主従の区別なしに2種以上の作物を同時に同じ畑に作付けすることをいう。これには、2種以上の種子を混ぜ合わせて播(ま)く混播(こんぱ)と、うねごとに作物の種類をかえ、交互につくる方法とがある。牧草ではイネ科とマメ科作物とを混播する方法が広く行われており、交互作はサツマイモとダイズ、ダイズとトウモロコシなどが一般的な例である。混作では、異なる作物が相互に好影響を与えるので、それぞれ単作の場合より多収となるが、栽培管理作業は煩雑となる場合がある。

[星川清親]

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