山川 日本史小辞典 改訂新版 「渤海使」の解説
渤海使
ぼっかいし
渤海国が日本に派遣した外交使節。727年(神亀4)国王大武芸(だいぶげい)が大使高仁義以下を派遣してきたのに始まり,922年(延喜22)まで総計34回以上に及ぶ。初期には唐・新羅に共同で対抗しようとの軍事的目的があったが,唐渤関係の安定化にともない,8世紀後半以降はもっぱら北方産の獣皮と日本の繊維製品や金・水銀の交易が主目的となり,また日唐間の交通の仲介としても機能した。日本側は能登客院などを設けて朝貢使として遇する一方,824年(天長元)には12年1貢の年期制を定めて来貢を制限したこともあった。末期の大使裴頲(はいてい)・裴璆(はいきゅう)父子は,菅原道真らとの漢詩文の応酬で有名。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報