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湯葉 ゆば

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

湯葉
ゆば

の伝統的な加工食品大豆からつくった豆乳を静かに加熱するとき,表面にできる皮膜をいう。蛋白質,脂肪が多い。普通は乾燥して保存され,淡黄色の光沢をもち,水戻しするとすぐ軟らかくなる。淡白,上品なもので,日本料理に広く用いられる。作り方は,濃厚な豆乳を平鍋で静かに加熱し,全面に広がる皮を竹ひごですくい上げ,そのまま釜の上につるし乾燥させる。軟らかいうちに切り結んだり,銀なん,百合根きくらげなどを包んで保存することもある。京都,日光が産地。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

湯葉

約1200年前に日本の僧侶が中国から持ち帰ったとされる。「湯勇」は幕末の慶応3年(1867年)創業。城下町にあった禅宗の寺の精進料理に使う湯葉を作っていた。もともと乾燥湯葉が主力だったが、冷蔵庫の普及など保存環境が改善されたことで、50年ほど前から生湯葉の販売も進んだ。 生の湯葉を棒状にし、もっちりとした食感の「生棒ゆば」や薄く重ねて柔らかい食感にした「さしみゆば」、豆乳を絡めてトロトロにした「汲上げゆば」など約20種類がある。問い合わせは同店(058・262・1574)。

(2015-10-26 朝日新聞 朝刊 岐阜全県・1地方)

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デジタル大辞泉の解説

ゆ‐ば【湯葉/湯波/油皮】

豆乳を煮たときに上面にできる薄黄色の皮膜をすくい取ったもの。生(なま)湯葉と干し湯葉があり、吸い物・煮物などに用いる。うば
[補説]書名別項。→湯葉

ゆば【湯葉】[書名]

芝木好子中編小説。昭和35年(1960)「群像」誌に発表。同年、第12回女流文学者賞受賞。自身の母方の祖母をモデルに、湯葉作りの家業を守りつつ懸命に生きる女性の半生を描く。以後「隅田川」「丸の内八号館」と続く自伝的3部作の第1作目。

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百科事典マイペディアの解説

湯葉【ゆば】

ダイズ加工品の一種。豆乳を静かに加熱し,表面に黄色い皮膜ができるのを竹ぐしですくいあげたのが生湯葉,乾燥したのが干し湯葉。京都,日光が主産地タンパク質と脂肪に富む。

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栄養・生化学辞典の解説

湯葉

 豆乳を加熱して表面に浮いてくる膜を集めて作る食品.

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆば【湯葉】

ダイズを原料とする加工食品。豆乳を加熱して得られるもので,中国では豆腐皮(トウフーピー),腐皮(フーピー)という。鎌倉期に禅僧が製法を伝えたものらしく,室町初期の《遊学往来》などに〈豆腐上物とうふのうわもの)〉として現れ,やがて〈とうふのうば(豆腐姥)〉,略して〈うば〉と呼ばれるようになった。〈ゆば〉は〈姥〉のなまりで,表面にしわがよっているための称だ,と山東京伝はいう。豆乳を平らな浅いなべに入れ,にがりなどの凝固剤を加えずにそのまま煮ると,タンパク質が薄い膜になって表面に張る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

湯葉
ゆば

湯波、湯婆とも書く。大豆製品の一つ。語源は、豆乳(とうにゅう)の表面に浮かぶ皮「浮皮(うわ)」から、また豆腐の上物(うわもの)、豆腐の姥(うば)の略語などの説がある。豆乳を煮つめ、表面にできる被膜状のものをすくい取ったものが生(なま)湯葉、乾燥したものが干し湯葉である。通常、湯葉というと干し湯葉を意味することが多い。鎌倉時代に中国から伝わり、江戸時代には巻き湯葉、絞り湯葉、茶巾(ちゃきん)湯葉、糸巻き湯葉などの加工湯葉がつくられている。京都と日光が名産地。生湯葉には、大きく畳んだ引き上げ湯葉、巻き湯葉、ぎんなん・百合根(ゆりね)などの具を生湯葉で巻き込み油で揚げた牡丹(ぼたん)湯葉(東寺(とうじ)湯葉ともいう)などがある。干し湯葉には、引き上げ湯葉を干した板(いた)湯葉(平(ひら)湯葉ともいう)、小形に畳んだ畳み湯葉、結び湯葉、巻いて干した巻き湯葉(太巻き、細巻きなど)などがある。干し湯葉では黄色く着色したものもある。また、切れ端を袋詰めにしたり、生湯葉で形の悪いものや鍋(なべ)底の濃厚な部分からつくったものを甘湯葉として総菜用に売る店もある。[河野友美・山口米子]

栄養・調理

湯葉は豆乳を濃縮した形であるため、タンパク質が豊富である。干し湯葉で53%、生湯葉でも22%含まれ、精進料理のタンパク質の給源である。脂肪、カルシウム、鉄、カリウム、ビタミンB1も多く含まれる。生湯葉はそのままわさびじょうゆで食べたり、から揚げ、煮物、吸い物に用いる。干し湯葉は水が行き渡る程度にぬるま湯でもどし、煮物、吸い物、ばらずし(五目ずし)などに用いる。生湯葉は冷蔵庫に入れ、数日間で使用すること。干し湯葉は保存性はよいが、長く置いたり、保存温度が高いと脂肪が酸化し、風味が低下する。中国の湯葉は豆腐皮(ドウフウピイ)、油皮(イウピイ)とよばれ、多種類の形がある。[河野友美・山口米子]

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