焚く(読み)タク

デジタル大辞泉 「焚く」の意味・読み・例文・類語

た・く【×焚く】

[動カ五(四)]
1 燃料を燃やす。また、火にくべて燃やす。「石炭を―・く」「落ち葉を―・く」
2 火を燃やして湯をわかす。「風呂を―・く」
3 (「炷く」「薫く」とも書く)火をつけて香をくゆらす。「線香を―・く」
4 写真撮影でストロボを発光させる。「フラッシュを―・く」
[可能]たける
[下接句]霧不断の香を焚く・豆を煮るに萁まめがらをたく・林間に酒を煖あたためて紅葉こうようを焼たく・藁わらを焚く
[類語]燃す・燃える・焼ける・燃え盛る・燃え広がる・燃え上がる・燃え立つ・燃やす・くべる・いぶす・いぶる・燻ぶる・煙る・火達磨・燃焼・完全燃焼・不完全燃焼

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関連語 林間 実例 今朝

精選版 日本国語大辞典 「焚く」の意味・読み・例文・類語

た・く【焚・炊・焼・炷・薫】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
  2. ① 火を燃やす。
    1. [初出の実例]「百済の加巴利浜に泊りて火を燃(タ)く」(出典:日本書紀(720)天智天皇称制辛酉年(北野本訓))
  3. ② 火で燃やす。火にくべて燃やす。くべる。
    1. [初出の実例]「磯の上に爪木折り焼(たき)汝(な)が為と吾が潜(かづ)き来し沖つ白玉」(出典:万葉集(8C後)七・一二〇三)
  4. ③ (香などを)くゆらせる。けぶらせる。
    1. [初出の実例]「焚香 上多久」(出典:新訳華厳経音義私記(794))
  5. ④ 火を通して食べられるようにする。煮る。かしぐ。また、湯などをわかす。
    1. [初出の実例]「ゆたかせて、女中・予、各入候」(出典:山科家礼記‐文明一二年(1480)七月二九日)
    2. 「今朝からせい出して、米洗ふたりかゆ焼(タイ)たり」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)一)
  6. ⑤ 他人をあおり立てて物ごとを行なう。けしかける。扇動する。たきつける。
  7. ⑥ 写真撮影で、ストロボを発光させる。

焚くの語誌

( ④について ) 加熱調理動作を表わすようになったのは、比較的新しい。もともと、ニル、カシクがになっていた意味領域に、中世後期頃からタクが意味領域を拡大していったと考えられ、近世から近代にかけて飯についてはタクといい、汁物(野菜)など飯以外の物についてはニルという現代共通語の体系が成立したものと思われる。

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