燻ぶる(読み)クスブル

デジタル大辞泉 「燻ぶる」の意味・読み・例文・類語

くすぶ・る【×燻ぶる】

[動ラ五(四)]
1 物がよく燃えないで、煙ばかりを出す。「生木が―・る」「焼け跡が―・る」
2 煙のすすで黒くなる。すすける。「天井が―・る」
3 争い事などが表に現れずに、また、完全に解決しないままで続いている。「不満が―・る」
4 閉じこもって陰気に過ごす。「一日中下宿で―・っていた」
5 地位や状態などが、その段階にとどまったまま低迷している。「下積みで―・っている」
6 身なりやようすが小汚くすすけている。
「世帯に―・った彼女とはまるで別の女に見え」〈秋声・縮図〉
[類語](1)煙る・燻る・燻す・けぶる・くゆる・くゆらす・煤ける・燃える・焼ける・燃え盛る・燃え広がる・燃え上がる・燃え立つ・燃す・燃やす・焚く・くべる・火達磨・燃焼・完全燃焼・不完全燃焼/(4)もやもや・ぼけっと・朦朧もうろう・ぼやける・雲をつかむ・不確か・曖昧・曖昧模糊・ファジー・茫乎ぼうこ・ぼうっと・なんとなく・なんだか・そこはかとない・ほんのり・なんとはなし・どことなく・それとなしに・心なし・なにかしら・思いなしか・ほのか・模糊・茫茫ぼうぼう・漠漠・不明瞭・茫漠ぼうばく・もやくや・もやつく・ぼんやり・彷彿ほうふつ・不鮮明・憂鬱・憂さ・鬱・鬱気・気鬱・鬱鬱・陰鬱・鬱然・鬱陶しい・物憂い・暗鬱・沈鬱・くよくよ・くしゃくしゃ・重苦しい・くさくさ・滅入る・塞ぐ・塞ぎ込む・気塞ぎ・悶悶もんもん・やるせない・わだかまる・意気消沈・暗澹あんたん・胸騒ぎ・怪訝けげん・いぶかしい・いぶかる・辛気・歯がゆい・いらいら

ふすぶ・る【×燻ぶる】

[動ラ五(四)]
1 炎を立てず、煙だけを出して燃える。いぶる。くすぶる。「蚊遣り火が―・る」
2 煙のすすで黒くなる。すすける。くすぶる。
「家の内は煤にて真っ黒に―・り」〈鉄腸・花間鶯〉
3 不平・不満を抱いたまま閉じこもっている。くすぶる。「田舎で―・っている」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「燻ぶる」の意味・読み・例文・類語

くすぶ・る【燻・薫】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ① 火がよく燃えないで煙ばかりが出る。いぶる。くすぼる。ふすぶる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「物のくすぶる匂ひがそれとなくあたりに漲り渡った」(出典:一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉二七)
  3. ② 煙の煤(すす)で黒くなる。また、それに似た様子である。すすける。くすぼる。
    1. [初出の実例]「くすぶった茶わんが出た」(出典:洒落本・駅舎三友(1779頃)二階)
    2. 「倫敦(ロンドン)の煤(クス)ぶった市街(まち)をぶらぶら歩いてゐると」(出典:茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉俳優の盗み)
  4. ③ 引きこもって陰気に暮らす。世間的に認められない地位、境遇にとどまる。くすぼる。くすむ。
    1. [初出の実例]「仕官の口を探すが〈略〉心ならずも小半年ばかり燻(クスブ)ってゐる」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  5. ④ ( 比喩的に ) 事件、騒ぎ、不満などが、完全に解決されないまま、表立たないところで続いている。
    1. [初出の実例]「口に出せない不満を胸の中でくすぶらせた」(出典:助左衛門四代記(1963)〈有吉佐和子〉序)

燻ぶるの語誌

( 1 )「くすぶる」「くすべる」は、古来の「ふすぶ」(下二段)と同様の意味を表わすものであるが、近世以降に多くみられるようになる。
( 2 )「色葉字類抄」に「薫 クンス クスブル」とあるが、この時期「くすぶる」の実例は見当たらない。
( 3 )「観智院本名義抄」では「ふすぶ」「ふすぼる」、「日葡辞書」では「ふすぶる」「ふすぼる」の形であげられていて「くすぶる」は見られないが、「かた言‐三」には、「ふすぶるをくすぼるは如何」とあり、近世には語頭音は「ふ」と「く」の両形が存していたことがわかる。


ふすぶ・る【燻】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. ① 煙のすすで黒くなる。また、それに似た様子になる。すすける。くすぼる。
      1. [初出の実例]「剃らで久しき御ぐし、護摩の煙にふすふる御気色」(出典:義経記(室町中か)六)
    2. ② 世間的に認められない地位、境遇にとどまる。くすぶる。
    3. ③ 気持がふさぐ。陰気になる。
    4. ④ 家に引きこもり陰気に暮らす。くすぶる。
      1. [初出の実例]「家に計り煤(フスブ)って居ねへで偶(たま)には子供を連れて劇場(しばゐ)の一幕も見に往きねエ」(出典:落語・子別れ(1890)〈三代目春風亭柳枝〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 疑いをもつ。疑わしく思う。
    1. [初出の実例]「惑志は伯寮が讒言を信仰して、子路をふすふるを云」(出典:応永本論語抄(1420)憲問第一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

アジア諸国の友好と平和促進とを目的としたスポーツ大会。第1回は1951年にインドで開催。原則としてオリンピックの中間年に行われる。主催はアジア‐オリンピック評議会。→アジア冬季競技大会...

アジア競技大会の用語解説を読む