燻す(読み)イブス

デジタル大辞泉 「燻す」の意味・読み・例文・類語

いぶ・す【×燻す】

[動サ五(四)]
物を燃やして煙が出るようにする。また、煙にむせるようにする。「生木で―・す」「狐の穴を―・す」
殺菌殺虫などのために煙を出す。「蚊やりを―・す」
すすや煙で黒くする。「囲炉裏上方が―・される」
金属製の器具硫黄のすすで曇りをつける。「銀の燭台を―・す」
いじめて困らせる。
叔母に―・される辛さ苦しさ」〈二葉亭浮雲
[可能]いぶせる
[類語]燻る煙る燻ぶるけぶるくゆるくゆらすくすぶる煤ける燃える焼ける燃え盛る燃え広がる燃え上がる燃え立つ燃す燃やす焚くくべる火達磨燃焼完全燃焼不完全燃焼

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「燻す」の意味・読み・例文・類語

いぶ・す【燻】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 物を燃やして煙を出す。煙が多く出るように燃やす。また、そのような煙にむせるようにする。けむたくさせる。
    1. [初出の実例]「狐はけぶりをいやがる物じゃといふに依て、両人していぶいて正体をあらはし」(出典:虎寛本狂言・狐塚(室町末‐近世初))
  3. あぶって焼く。
  4. 銀、銅などの金属に硫黄のすすで曇りをつける。いぶしをかける。
  5. ( 比喩的に ) いじめて困らせる。いびる。
    1. [初出の実例]「いぶすより焚き付けるのがにくいなり」(出典:雑俳・柳多留‐二三(1789))
    2. 「其間始終母にいぶされる辛らさ苦しさ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

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