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無気呼吸 むきこきゅうanaerobic respiration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無気呼吸
むきこきゅう
anaerobic respiration

生体内で呼吸材料分子が分解的な原子組換えを行う過程を呼吸といい,全体としてはエネルギー発生反応 (発エルゴン) である。その際,物質から奪い取られた水素 (電子) の最終受容体として酸素が用いられる場合が,有気呼吸 (狭義かつ通常の意味の呼吸) であるが,酸素が用いられないで,単に組換えにとどまる場合には無気呼吸という。酵母によるアルコール発酵とか,筋肉,肝臓などで行われる解糖過程,また後者と事実上同じ反応である乳酸発酵が代表的。なお,酸素呼吸による完全分解ではないが,酸素を用いて部分的分解を行うものを酸化発酵 (たとえば酢酸発酵によるアルコール+ O2 →酢酸) というが,これは,無気呼吸の有気的変形といえる。

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大辞林 第三版の解説

むきこきゅう【無気呼吸】

酸素がない状態での呼吸。アルコール発酵や筋肉内での解糖などがその例で、酸素呼吸に比べてエネルギーの獲得効率が小さい。無酸素呼吸。 ↔ 酸素呼吸

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無気呼吸
むきこきゅう

酸素以外の物質を最終電子レセプター(受容体)とする一連の酸化還元反応によってエネルギーを獲得する化学的暗反応過程をいう。ある種の細菌は硝酸塩や硫酸塩を最終電子レセプターとする酸化過程によってエネルギーを獲得するが、これらは硝酸呼吸や硫酸呼吸とよばれる。硫黄(いおう)細菌の一種には、普通は酸素呼吸をするが、嫌気条件下では硝酸呼吸をするものがある。アルコール発酵や解糖も無気呼吸の一種といえる。[嶋田 拓]

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世界大百科事典内の無気呼吸の言及

【呼吸】より

…(3)さらに広義には,アルコール発酵や解糖のように,外から最終電子受容体の供給がなくても,基質から生じた化合物の間で酸化還元が行われ,この過程でATPが生成される場合をも含む。この場合を無酸素呼吸,無気呼吸,嫌気呼吸,または分子間呼吸といい,これに対し(1)の場合を酸素呼吸または好気呼吸という。 呼吸の強さを知るには,酸素消費量または二酸化炭素放出量を測定すればよい。…

※「無気呼吸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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