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無痛分娩のいろいろ むつうぶんべんのいろいろ

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家庭医学館の解説

むつうぶんべんのいろいろ【無痛分娩のいろいろ】

 分娩時に子宮口(しきゅうこう)が開いたり(子宮口開大(かいだい))、子宮が収縮や伸展(広げられる)したり、腟(ちつ)や会陰部(えいんぶ)、外陰部が押し広げられたりすることで、産婦は、苦痛や恐怖心、緊張感を感じることがあります。無痛分娩は、これらの負担を軽くし、分娩の安全性を高めるために行なわれます。
 とくに、軟産道(なんさんどう)(胎児(たいじ)の通り道)がかたい、お産に時間がかかり疲労が激しい、もともと血圧が高いなどの場合に、無痛分娩が適応となります。
●心理学的方法
 痛みの感じ方は、そのときどきの精神状態や身体状況によって大きく左右されます。
 分娩の場合も同じで、分娩について十分に理解していなければ、恐怖心から、心やからだが緊張状態となり、痛みを実際以上に強く感じてしまいます。その結果、分娩がスムーズに行なわれなくなるのです。
 このような事態を防ぐためには、分娩について正しい知識をもつことにより恐怖心をとり除き、からだをリラックスさせ、そして、分娩を乗り切る意志を高めて出産に臨むことがたいせつである、という考え方があり、ラマーズ法リード自然分娩法、精神予防性無痛分娩法などがこれにあたります。
 多くの病院や保健所では、母親学級(「妊娠とわかったら」の母親学級を利用しようの項参照)または両親学級が開かれ、分娩のための準備教育が行なわれています。
 妊娠中の心得、分娩時の体位、呼吸法、弛緩(しかん)法、分娩の経過などを学ぶことによって心身の準備をします。また、自分の力で出産するという気がまえをつくることにより、苦痛に対する恐怖心を軽くすることができます。
 さらに、これらの講習を通じて、医師、助産師、看護師とのよい関係をつくることもたいせつです。
●薬物学的方法
 疲労が著しい、軟産道がかたい、激痛があるなどの場合で、前述の心理学的方法を心がけていたにもかかわらず、苦痛が耐えがたいときには、分娩の進行に合わせて、鎮痛薬や鎮静薬、麻酔薬を用いて苦痛を軽くする方法がとられます。
 硬膜外麻酔に代表される局所麻酔による無痛分娩を、出産時の痛みを和らげるために健康な産婦にも行なう手法が欧米では普及していますが、日本では産科学会が自然分娩を勧めており、また産科に通じた麻酔医が少ないこともあり、まだ少数派です。
 鎮痛薬・鎮静薬の使用 分娩第1期(子宮口が開く時期=開口期(かいこうき))前半に使用されます。第1期は、正常分娩の経過のなかでかなり長い時間を占め、産婦の精神状態は不安定になります。鎮痛薬や鎮静薬を使用することにより、産婦は神経がしずまり、うとうとした状態でこの時期をすごせます。
 吸入麻酔 分娩第1期後半から、苦痛がもっとも激しい第2期(娩出期(べんしゅつき))に用いられます。全身麻酔の1つで、笑気(しょうき)ガスなどを、陣痛発作時に自分で吸入する方法です。これは浅い麻酔ですので、意識は比較的保たれています。
 静脈(じょうみゃく)麻酔 発露(はつろ)(胎児の頭が腟口(ちつこう)から見える時期)で、ペントバルビタール塩などの催眠薬を静脈内に注射する方法です。産婦の意識がもうろうとしているうちに、胎児が娩出されます。
 硬膜外(こうまくがい)麻酔 第1期後半から第3期(後産期(こうさんき))まで用いられ、無痛分娩の主流となっている方法です。腰の脊椎(せきつい)の硬膜外腔(こうまくがいくう)に局所麻酔薬を注入し、下半身の痛覚神経をまひさせる方法で、意識を鮮明に残すことができます。
 サドル麻酔 腰かける姿勢をとり、くも膜下腔(まくかくう)に局所麻酔を注入する方法で、とくに会陰部がまひします。
 陰部神経麻酔 会陰部に行く神経の途中に局所麻酔薬を注入し、まひさせる方法です。

出典|小学館
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