(読み)シャ

デジタル大辞泉 「煮」の意味・読み・例文・類語

しゃ【煮】[漢字項目]

常用漢字] [音]シャ(慣) [訓]にる にえる にやす
〈シャ〉にる。「煮沸
〈に〉「煮物雑煮ぞうに佃煮つくだに
難読煮凝にこご煮麺にゅうめん

に【煮】

煮ること。煮えること。また、そのもの。にえ。「が足りない」「クリーム

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精選版 日本国語大辞典 「煮」の意味・読み・例文・類語

にる【煮】

  1. 〘 他動詞 ナ行上一 〙 水を加えたものを火にかけ、水を沸かして熱をとおす。特に、食物を汁といっしょに火にかけ、調味して、その沸騰した汁でやわらかくして、食べられるようにする。
    1. [初出の実例]「是に大御羹(おおみあつもの)を煮(に)むと為て、其地(そこ)の菘菜(あをな)を採む時に」(出典古事記(712)下)

に【煮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「にる(煮)」の連用形名詞化 ) 煮ること。煮えること。にえ。
    1. [初出の実例]「熬 也 魚完菜等類是也 爾又伊留也」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))

にえ【煮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「にえる(煮)」の連用形の名詞化 ) にえること。にえたぎること。
    1. [初出の実例]「『おお、釜の煮(ニエ)が落ちた』と、いひつつ炭を直して」(出典:人情本・恋の若竹(1833‐39)初)

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普及版 字通 「煮」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
人名用漢字 13画

[字音] シャ・ショ
[字訓] にる・ゆでる

[説文解字]

[字形] 形声
声符(者)(しや)。〔説文〕三下に字を(れき)に従う字に作り、上にを加えて声とし、「烹(に)るなり」(小徐本)という。字はもと庶に作る形であったと考えられ、庶は廚(くりや)で鍋の下に火をくべる形である。呪符を埋めたお土居をいう字で、の初文。料理に関係のない字である。(遮)はお土居によって「遮(さえぎ)る」字であるから、もとの声義に従うべく、(しや)・庶(しよ)同声のため字が互易している。庶多のことを(諸)というように、両字の間に通用するところがある。

[訓義]
1. にる、にこむ。
2. ゆでる、熟する。

[古辞書の訓]
名義抄 ニル・ヤク・イル・カシク

[語系]
tjya、庶sjiaの声近く、もと関係のない字であるが、声符として互易することがある。

[熟語]
煮芋煮塩・煮海煮簀煮字・煮酒煮汁煮粥・煮熟・煮食・煮石・煮泉・煮茶煮鋳煮湯煮梅煮餠・煮・煮薬煮練
[下接語]
熏煮・羹煮・蒸煮・炊煮・煮・飯煮・糜煮・炮煮烹煮

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【沖縄[県]】より

…また地質,色柄,模様,着装法に至っては,王家,士族,庶民の階級別にかなり厳しいきまりがあった。たとえば,庶民は芭蕉布の場合上等品の煮(にーがしー)は着られない。柄も庶民は絣模様は禁じられているが縞はよい。…

※「煮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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