煮凝り(読み)ニコゴリ

デジタル大辞泉 「煮凝り」の意味・読み・例文・類語

に‐こごり【煮凝り/煮凍り】

魚などの煮汁が、冷えて固まったもの。また、魚などを柔らかく煮て、煮汁ごとゼラチン寒天などで固めた料理 冬》「―に哀しきおひめおもふかな/万太郎
[類語]煮物煮付け煮染め煮転がし煮浸し旨煮含め煮煮込みじぶ煮角煮兜煮煮魚筑前煮従兄弟煮甘露煮時雨煮佃煮

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関連語 名詞 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「煮凝り」の意味・読み・例文・類語

に‐こごり【煮凝・煮凍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 魚などを煮た汁が寒気でこおったもの。また、魚肉類を、汁を多くして煮て、ゼラチンや寒天を補って身ごと固めた流し物もいう。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「蜷并伊具比魚煮凝等、随得加進」(出典延喜式(927)三九)
    2. 「煮こごりや浪に音なき北近江〈調幸子〉」(出典:俳諧・富士石(1679)四)
  3. 遊女と客とがくっついて寝ること。遊女と客とが体をくっつけて離れないこと。
    1. [初出の実例]「ずいと立て隣を覗き、いくよさん、煮(ニ)ここりだの」(出典:洒落本・当世左様候(1776))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「煮凝り」の意味・わかりやすい解説

煮凝り
にこごり

魚肉,牛肉鳥肉などを煮つめ,結合組織のコラーゲンが溶出したその煮汁が冷えてゼリー状に固まったものをいう。魚はよく煮ると膠質が溶出して,それを煮つめると固形肉汁となる。すっぽん穴子,たい,かれいなどが比較的つくりやすい。

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