放射線分解(読み)ホウシャセンブンカイ

  • radiolysis
  • ほうしゃせんぶんかい ハウシャ‥
  • ほうしゃせんぶんかい〔ハウシヤセン〕
  • 放射線分解 radiolysis

世界大百科事典 第2版の解説

物質に放射線が照射されると,放射線のエネルギーが物質に吸収され,その結果イオンや励起状態,ラジカルなどが生成する。これらの化学種は反応性に富み,物質系の化学結合の切断や組換えをひき起こし,化学反応を起する。放射線照射後,活性種の生成から化学反応に至る一連過程において,化学結合の切断や組換えなどに至る過程を,化合物の分解という面を強調して放射線分解と呼ぶが,放射線分解の結果ひき起こされる放射線化学反応との区分を明確にすることは困難であり,放射線化学反応を含めた広い意味で使われることも多い。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 放射線の働きで引き起こされる化合物の分解。

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化学辞典 第2版の解説

広義には,放射線が物質に作用した結果起こる化学変化を総称していうが,放射線の作用によって分解反応が起こり,分解生成物を生じる場合をさすことが多い.ただし,分解反応のみならず,結果として重合体あるいは異性体を与える場合にも用いられる.放射線の物質への作用は,
(1)ごく初期の物質による放射線エネルギー吸収過程とそれにただちに続いて起こる過程(物理的段階)と,
(2)これと一部分重複してこれに続く原子,分子のイオン化,励起,およびこれらと周囲の原子,分子との相互作用(物理化学的段階),
(3)さらにこれらの中間体がすべて熱平衡化してしまったのちに,続いて起こるラジカル反応などの化学変化(化学的段階),
とに分けられる.(1)を中心に研究を行うのが放射線物理学であり,(2)に中心をおいて(1)および(3)をも含めて化学的効果を研究するのが放射線化学である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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