ふ‐ろう‥ラウ【父老】
- 〘 名詞 〙
- ① 年取った男子の敬称。老翁。
- [初出の実例]「赦二小過一而演化、行二寛政一而容レ衆、入二于閭閻一、敬訪二父老一、蠲二百姓之所一レ苦」(出典:家伝(760頃)下)
- [その他の文献]〔史記‐馮唐伝〕
- ② 一村一郷のおもだった老人。特に、古代中国で、指導者として、郷村の自治に重要な役割を果たした存在をいう。長老。
- [初出の実例]「沛の父老がつよく請ほどに」(出典:史記抄(1477)七)
- [その他の文献]〔管子‐軽重戊〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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父老 (ふろう)
fù lǎo
中国には古来人生経験豊かな長老層が地域社会を代表し指導する自治制度があり,この長老層を父老(父兄)とよんだ。これに率いられる世代が子弟である。歴代の軍閥や政権は父老制度を通じて地域社会の支持を得ようとした。秦末,項羽が江東の子弟を率いて敗れ,〈その父兄に何の面目あってか見(まみ)えん〉と言った故事や,劉邦が関中の父老と法三章を約した史実は有名である。漢代には父老層から郷三老,県三老が選ばれて,地方行政と地域社会の調整に当たった。以後の時代にも父老制は種々の形で生きつづけるが,財産関係がそこに介入する傾向は否定できない。
執筆者:谷川 道雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「父老」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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父老
ふろう
Fu-lao
中国,戦国,秦,漢時代の集落 (里) の代表者であり,秩序維持の指導者。父兄とも呼ばれる。一般住民である子弟に相対する。里社の祭りの監督指導や里の土木工事などの共同作業を統轄し,賦税の徴収にも関係した。漢時代におかれた郷三老,県三老などは権力で父老を掌握するための郷官であったと考えられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の父老の言及
【漢】より
…
[郷里制社会と豪族]
漢代の[郷里制]社会をみると,当時の民の大多数を占める農民は郷(きよう)とよばれる周囲を牆壁(しようへき)でかこまれた集落の中に,里(およそ100戸)を単位として集団居住し,牆壁の外部に広がる各戸の農地を耕作して生活していた。里では[父老]とよばれる経験ゆたかな年長者を中心に自治体を形成し,人々は共同体関係で結ばれていた。このような里を最小単位として構成されている郷は,したがって自治独立の意識がさかんであった。…
※「父老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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