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片歌 かたうた

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

片歌
かたうた

上代歌謡の一形式。5・7・7音を基本とする。もともとは短歌または旋頭歌 (せどうか) の上句もしくは下句だけをうたう場合をさしたと考えられる。『古事記歌謡に 11首,『日本書紀謡に6首 (うち3首は『古事記』歌謡と重複) あるだけであり,風土記歌謡や『万葉集』などにはみられない。独立して用いられた例はなく,問答の一方もしくは双方に用いられるか,他の形式の歌謡と連続して用いられる場合に限られる。後者の場合,1例を除いては一連の歌謡の最後に用いられており,それが本来の形であったと考えられる。

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百科事典マイペディアの解説

片歌【かたうた】

記紀などに見られる上代歌謡の一形式で,5・7・7の3句形式をいう。これを2度繰り返せば旋頭歌(せどうか)になる。歌謡の形式としては最も短く,簡潔で,唱和・問答などの場合に用いられた。
→関連項目記紀歌謡建部綾足和歌

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世界大百科事典 第2版の解説

かたうた【片歌】

日本上代歌謡の形式の一つ。5・7・7の3句形式をいう。名称の出典は《古事記》景行天皇条・仁徳天皇条。景行天皇条では,〈愛(は)しけやし 吾家(わぎえ)の方(かた)よ 雲居(くもい)起(た)ち来(く)も〉を〈此は片歌なり〉とし,仁徳天皇条では,〈汝(な)が御子や 終(つい)に知らむと 雁(かり)は卵生(こむ)らし〉を〈此は本岐(ほき)歌の片歌なり〉としている。歌謡の形式としては最短のものである。《万葉集》にはすでに見られず,早い時期にすたれてしまったようである。

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大辞林 第三版の解説

かたうた【片歌】

〔二つ組み合って完全になる歌の片方の意〕
古代歌謡の一体。五・七・七の三句で一首をなす歌で、多くは問答に用いた。二つ合わせると旋頭歌せどうかの形となる。「はしけやし我家わぎえの方よ雲居立ち来も/古事記 」の類。
江戸時代の俳人建部綾足が、俳諧の起源をに求めて提唱した一九音(五・七・七)の発句形式。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

片歌
かたうた

一般には、和歌の歌体の一つで、音数が五・七・七という三句形式の歌をいう。しかし『古事記』では、一組の歌謡のうち最後の歌謡の歌い方の名称として用いている。たとえば、数首の歌謡の最後のものを、「汝(な)が御子(みこ)や 遂(つひ)に知らむと 雁(かり)は卵産(こむ)らし 此(こ)は本岐歌(ほきうた)の片歌なり」(仁徳(にんとく)天皇条)のように、歌曲名「本岐歌」とともに称している。ただ、歌い方についての具体的なことについては定説がない。
 なお、この三句形式の歌は『古事記』に9首、『日本書紀』に3首みられるほか、平安時代の神楽歌(かぐらうた)にもみいだされ、本来、歌謡の形式であったと考えられる。[遠藤 宏]

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世界大百科事典内の片歌の言及

【建部綾足】より

…画号は建凌岱,孟喬(うきよう),寒葉斎など。片歌(かたうた)や小説では綾足,綾太理と号した。本名を喜多村金吾久域(ひさむら)といい,弘前藩家老の次男として生まれたが,20歳のとき兄嫁との恋が原因で藩を出奔し,武士身分を捨てた。…

※「片歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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