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特別背任罪 とくべつはいにんざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

特別背任罪
とくべつはいにんざい

刑法上の背任罪の規定(247条)に対し,会社法(960~962条),保険業法(322,323条)などで,特定の者の背任行為について主としてその法定刑を加重することを目的として設けられた罪。たとえば会社法は,発起人取締役会計参与監査役執行役支配人,事業に関するある種類または特定の事項の委任を受けた使用人検査役清算人などが,自己もしくは第三者の利益をはかり,または株式会社損害を加える目的で,その任務に背く行為をし,株式会社に財産上の損害を加えたときは,10年以下の懲役もしくは 1000万円以下の罰金に処する旨を規定する(960条)。また,懲役と罰金の併科も認めている。

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デジタル大辞泉の解説

とくべつ‐はいにんざい【特別背任罪】

株式会社の役員などが、自己もしくは第三者の利益のために会社に損害を加える罪。会社法罰則に含まれており、刑法背任罪に対していう。

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百科事典マイペディアの解説

特別背任罪【とくべつはいにんざい】

会社法,保険業法等の規定による背任罪。刑法上の背任罪より刑が重い。発起人取締役等が任務にそむき会社に財産上の損害を加えたときは,10年以下の懲役または1000万円以下の罰金。

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大辞林 第三版の解説

とくべつはいにんざい【特別背任罪】

会社法・保険業法上、取締役や監査役などの役職者によりなされる背任罪。刑法上の背任罪より重く処罰される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

特別背任罪
とくべつはいにんざい

会社法上の犯罪で、刑法第247条の背任罪に対する特別罪。株式会社の発起人、取締役、監査役または執行役等が、自己もしくは第三者の利益を図り、または株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科される(会社法960条)。また、代表社債権者または決議執行者が、同様の行為によって社債権者に財産的な損害を加えたときは、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科される(同法961条)。さらに、これらの罪の未遂罪も処罰される(同法962条)。これらの罪において任務違背とは、法令、定款、内規等に違反する場合はもとより、実質的にみてその任務に背く場合をいう。ただし、任務違背行為があっても、株式会社や社債権者の利益を図るためなされた場合には、本罪の目的を欠くから本罪は成立しない。[名和鐵郎]

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世界大百科事典内の特別背任罪の言及

【株式会社】より

…381条1項),帳簿閲覧権,業務財産状況の検査申立権(293条ノ6,294条),解散請求権(406条ノ2)等は,株式総数の一定割合の株式を有する株主だけが行使できる少数株主権である。株主に損害を与えるような業務執行を行った取締役等は,代表訴訟を通じて厳格な損害賠償の民事責任を負わされるほか,重い刑事罰を負わされることもある(特別背任罪。486条)。…

【背任罪】より

…なお,背任罪は未遂も処罰され(250条),親族相盗例の準用がある(251条)。 なお,会社の取締役や監査役などが,自己もしくは第三者を利し,または会社を害する意図のもとに,その任務にそむき,会社に財産上の損害を加えたときは,特別背任罪として重く処罰される(商法486条以下,有限会社法77条,保険業法322条以下)。この場合はとくにホワイトカラー犯罪の色彩が濃くなる。…

※「特別背任罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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