会社法で規定されている。取締役や監査役など特定の地位にある者が自分や第三者の利益のため任務に背く行為をし、会社に損害を与えた場合、10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、またはその両方が科される。会社の経営に携わる立場での背任行為は大きな責任が問われるため、刑法の背任罪より法定刑が重い。大王製紙の巨額背任事件などで適用された。立証が難しい犯罪の一つとされ、東京地検特捜部が起訴した事件で無罪が確定したケースもある。
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会社法上の犯罪で、刑法第247条の背任罪に対する特別罪。株式会社の発起人、取締役、監査役または執行役等が、自己もしくは第三者の利益を図り、または株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科される(会社法960条)。また、代表社債権者または決議執行者が、同様の行為によって社債権者に財産的な損害を加えたときは、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科される(同法961条)。さらに、これらの罪の未遂罪も処罰される(同法962条)。これらの罪において任務違背とは、法令、定款、内規等に違反する場合はもとより、実質的にみてその任務に背く場合をいう。ただし、任務違背行為があっても、株式会社や社債権者の利益を図るためなされた場合には、本罪の目的を欠くから本罪は成立しない。
[名和鐵郎]
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…381条1項),帳簿閲覧権,業務財産状況の検査申立権(293条ノ6,294条),解散請求権(406条ノ2)等は,株式総数の一定割合の株式を有する株主だけが行使できる少数株主権である。株主に損害を与えるような業務執行を行った取締役等は,代表訴訟を通じて厳格な損害賠償の民事責任を負わされるほか,重い刑事罰を負わされることもある(特別背任罪。486条)。…
…なお,背任罪は未遂も処罰され(250条),親族相盗例の準用がある(251条)。 なお,会社の取締役や監査役などが,自己もしくは第三者を利し,または会社を害する意図のもとに,その任務にそむき,会社に財産上の損害を加えたときは,特別背任罪として重く処罰される(商法486条以下,有限会社法77条,保険業法322条以下)。この場合はとくにホワイトカラー犯罪の色彩が濃くなる。…
※「特別背任罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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