「くなこく」とも読む。弥生(やよい)時代後期に邪馬台(やまたい)国の南に位置した原始国家。『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』によれば、男王・卑弥弓呼(ひみここ)(素(そ))の支配のもとに官・狗古智卑狗(くこちひく)が置かれ、邪馬台国の支配に服せず独立国であった。狗奴国の位置は肥後(ひご)国(熊本県)球磨(くま)とする熊襲(くまそ)説が有力であるが、近畿熊野(くまの)や四国河野(かわの)、関東毛野(けぬ)説などがある。卑弥弓呼(素)については、熊襲説、彦御子(ひこみこ)説、比売語曽(ひめこそ)説がある。官・狗古智卑狗は、これを肥後国菊池郡の菊池彦(きくちひこ)にあてるほか、伊予(いよ)国(愛媛県)河野郷の子致彦(こちひこ)説、讃岐(さぬき)国(香川県)阿野郡甲智(かっち)郷説がある。
狗奴国は248年、従来から対立していた女王国29か国連合と戦争、魏の調停により一時平和を回復したが、この間、邪馬台国の女王卑弥呼は死亡した。連合体組織の女王国と異なり男王権の確立した強力な軍事国家とする考えもある。
[井上幹夫]
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「魏志倭人伝」にみえる倭の1国。邪馬台国(やまたいこく)の南にあり,男子を王とした。官に狗古智卑狗(くこちひく)があった。倭人伝には女王国に属さずとあり,邪馬台国と敵対関係にあった。卑弥弓呼(ひみここ)が王であったとき,邪馬台国の卑弥呼(ひみこ)と戦闘状態に入り,卑弥呼は247年帯方(たいほう)郡に戦況を報告し,督励使をうけた。所在地には諸説があり,熊襲(くまそ)・日向(ひゅうが)・熊野・毛野(けぬ)などが候補地とされる。
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