狗奴国(読み)クヌコク

精選版 日本国語大辞典 「狗奴国」の意味・読み・例文・類語

くな‐こく【狗奴国】

  1. 魏志倭人伝」にみえる、三世紀に日本に存在したと伝える国名。邪馬台国の南方にあって服属せず、卑彌呼は年来これと不和であったという。邪馬台国九州説では、狗奴国を熊襲(くまそ)などに比定し、大和説では東国毛野(けぬ)などをあてる。くぬこく。〔後漢書‐東夷列伝〕

くぬ‐こく【狗奴国】

  1. くなこく(狗奴国)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「狗奴国」の意味・わかりやすい解説

狗奴国(くぬこく)
くぬこく

「くなこく」とも読む。弥生(やよい)時代後期に邪馬台(やまたい)国の南に位置した原始国家。『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』によれば、男王・卑弥弓呼(ひみここ)(素(そ))の支配のもとに官・狗古智卑狗(くこちひく)が置かれ、邪馬台国の支配に服せず独立国であった。狗奴国の位置は肥後(ひご)国(熊本県)球磨(くま)とする熊襲(くまそ)説が有力であるが、近畿熊野(くまの)や四国河野(かわの)、関東毛野(けぬ)説などがある。卑弥弓呼(素)については、熊襲説、彦御子(ひこみこ)説、比売語曽(ひめこそ)説がある。官・狗古智卑狗は、これを肥後国菊池郡の菊池彦(きくちひこ)にあてるほか伊予(いよ)国(愛媛県)河野郷の子致彦(こちひこ)説、讃岐(さぬき)国(香川県)阿野郡甲智(かっち)郷説がある。

 狗奴国は248年、従来から対立していた女王国29か国連合と戦争、魏の調停により一時平和を回復したが、この間、邪馬台国の女王卑弥呼は死亡した。連合体組織の女王国と異なり男王権の確立した強力な軍事国家とする考えもある。

[井上幹夫]


狗奴国(くなこく)
くなこく

狗奴国

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改訂新版 世界大百科事典 「狗奴国」の意味・わかりやすい解説

狗奴国 (くなこく)

3世紀の倭の中の一国。邪馬台国の南に位置し,邪馬台国と対立していた。《魏志倭人伝》に〈其の南に狗奴国有り,男子を王と為す。其の官に狗古智卑狗有り〉〈倭の女王卑弥呼,狗奴国の男王卑弥弓呼と素より和せず〉などとみえる。狗奴国を肥後国球磨郡,伊予国風早郡河野郷,肥後国菊池郡城野郷,毛野国などとする諸説があるが,《日本書紀》景行天皇18年4月条にみえる熊県の地,後の肥後国球磨郡の地とみるのが妥当であろう。
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百科事典マイペディア 「狗奴国」の意味・わかりやすい解説

狗奴国【くなこく】

3世紀の(わ)の中の一国。《魏志倭人伝(ぎしわじんでん)》によれば,邪馬台(やまたい)国の南に位置し,男子を王とし,邪馬台国と対立していた。肥後(ひご)国球磨(くま)郡の地とみるのが妥当か。ほかに菊池(きくち)郡城野(きの)郷,毛野(けぬ)国などの諸説がある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「狗奴国」の解説

狗奴国
くなこく

「魏志倭人伝」にみえる倭の1国。邪馬台国(やまたいこく)の南にあり,男子を王とした。官に狗古智卑狗(くこちひく)があった。倭人伝には女王国に属さずとあり,邪馬台国と敵対関係にあった。卑弥弓呼(ひみここ)が王であったとき,邪馬台国の卑弥呼(ひみこ)と戦闘状態に入り,卑弥呼は247年帯方(たいほう)郡に戦況を報告し,督励使をうけた。所在地には諸説があり,熊襲(くまそ)・日向(ひゅうが)・熊野・毛野(けぬ)などが候補地とされる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狗奴国」の意味・わかりやすい解説

狗奴国
くぬのくに

「くなのくに」ともいう。『魏志倭人伝』にみえる原始的部族国家一つ邪馬台国の南にあって,邪馬台国には所属せず,男子を王とする。断髪,文身の漁業民の国。古くは本居宣長の伊予風見郡河野郷説から,三宅米吉の毛野国説,笠井新也の熊野説,九州の熊襲 (くまそ) 説などがある。

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旺文社日本史事典 三訂版 「狗奴国」の解説

狗奴国
くなこく

3世紀,邪馬台 (やまたい) 国の南にあったとされる国
『魏志』倭人伝によると,この国は男子を王とし,邪馬台国に戦いをいどみ,女王卑弥呼 (ひみこ) もこの国との抗争中に死んだという。

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