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理解社会学 りかいしゃかいがくverstehende Soziologie

3件 の用語解説(理解社会学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

理解社会学
りかいしゃかいがく
verstehende Soziologie

M.ウェーバーの構築した「理解」を方法的基礎とする社会学。彼は社会学とは社会的行為に現れた精神現象を追体験しながら理解する現実科学であると考え,理解的方法を精密化し,理論的に規定してこれを理解社会学と名づけた。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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大辞林 第三版の解説

りかいしゃかいがく【理解社会学】

ウェーバーによって提唱された社会学の立場。社会的行為を行為者の動機(主観的意味)に従って理解し、それをさらに歴史の因果的説明と組み合わせる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

理解社会学
りかいしゃかいがく
verstehende Soziologieドイツ語

理解を方法的基礎とする社会学。主としてドイツの社会学者マックス・ウェーバーによって提唱された。一般に理解と説明とを分け、前者によって自然科学とは異なる精神科学の自立性を確保しようという試みは、すでにディルタイの解釈学などにみられるが、ウェーバーはさらにジンメルやヤスパースなどをも摂取して、理解的方法を精密化し、行為の意味理解として社会学を基礎づけようとした。ウェーバーによれば、社会学とは、社会的行為を行為者がそれに結び付けた主観的意味に従って理解し、それによって行為の経過と結果とを因果的に説明しようとする科学である。理解作用には、さしあたり行為者もしくは観察者に直接所与として与えられる現実的aktuell(ドイツ語)理解と、行為の動機を意味連関のなかで理解する動機的motivationsmmes(ドイツ語)理解があるが、そこから出発してウェーバーはさらに、客観的な歴史の発展の意味を、人間の社会的行為の経過ないし結果として因果的に説明しようとする。これは説明的理解とよばれ、ここでは、説明と理解とは単に区別され対立させられるだけでなく、相互補完的にとらえられている。
 したがって「方法的個人主義」に基づくウェーバーの社会学は、単に個人の主観的に思われた意味を理解するだけで、歴史の客観的発展を認識できない、という非難は誤解であって、ウェーバーは、個人の主観的意味を媒介にしながら、理念型としての行為の諸類型を組み合わせ、目的―手段、動機―結果関係の枠組みのなかで、歴史的発展や、個人を超えた制度組織の構造を、内的に明らかにしようとするのである。自己理解と他者理解、主観的意味と客観的意味の区別と連関など、シュッツが批判するように、なお多義性をもつとはいえ、理解社会学は現代の解釈学やハバーマスのコミュニケーション論にも有力な支柱を提供している。[徳永 恂]
『M・ウェーバー著、林道義訳『理解社会学のカテゴリー』(岩波文庫) ▽浜井修著『ウェーバーの社会哲学』(1982・東京大学出版会)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の理解社会学の言及

【ウェーバー】より

…しかもその際,行為はエートスとよばれる価値的態度と関係づけられ〈理解〉されねばならない。価値判断に関するいかなる絶対的なものも認めず,しかも,さまざまな〈価値〉と複雑に結びついている現実の歴史的・社会的現象を分析し理解する手続きとして,ウェーバーは厳密に純粋理論的に構成された概念(理念型)の設定とそれとのたえざる比較という方法を打ち立て,〈理解社会学〉を提唱した。19世紀的合理主義の枠内では対立する二つの方法,すなわち説明と理解とは,理解社会学の立場に立つと,補完するものとして接合されるべきものとなる。…

【経済と社会】より

…死後編纂された書物に特有の問題が存在するが(たとえば,編集方針の変更により第3版と第4版とでは章別編成が大きく異なる),本書が彼の〈社会学的〉業績の集大成であることは疑いえない。〈社会学的範疇学〉と名づけられている第1部では,〈理解社会学verstehende Soziologie〉の立場が簡潔に表明され,その基礎概念が体系的に提示されている。支配・階級・身分などの現象は関与している個々の人間の行為に還元され,明確に再規定される。…

【ゾンバルト】より

…その結果,ナチズムに協力したという評価が生まれたが,民族有機体説および民族中心主義の否定という点で,ナチズムに対しても批判的だった。それよりも,彼の本領は,理解社会学的方法(理解には合理的なものと感情移入的な追体験によってなされるものがあり,人間を対象とする科学では,後者がもっぱら個別的な解明をもたらすという考え)を駆使して,〈経済体制〉としての資本主義の具体的・包括的把握を試みた点にある。資本主義を初期,高度,後期の3段階に分類し,それぞれについて,(1)企業家とその精神,(2)政治組織としての国家,(3)技術と知識の3側面からアプローチした《近代資本主義》全3巻(1902‐28)は,M.ウェーバーの著作と並び,資本主義の体系的理解に大きく寄与した。…

※「理解社会学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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