カテゴリー(読み)かてごりー

デジタル大辞泉 「カテゴリー」の意味・読み・例文・類語

カテゴリー(category/〈ドイツ〉Kategorie)

範疇はんちゅう
ハリケーンの規模を表す尺度。風速、高潮による海面上昇、建築物への被害などで定義され、規模が小さいものから大きいものになるにしたがい、カテゴリー1から5までの5段階で表される。

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精選版 日本国語大辞典 「カテゴリー」の意味・読み・例文・類語

カテゴリー

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Kategorie [英語] category )
  2. 哲学で、アリストテレス以来の用語事物を分類する際、もはやそれ以上に分けることのできない、最も根本的、一般的な基本概念(属性、量、状態、関係等)。最高の類概念。範疇(はんちゅう)
    1. [初出の実例]「是に於て、すべて官而下具感に属するものをば、しらずしらず形より引去り、僅に所観形と思議形(カテゴリイ)との領内なる抽性を留めたり」(出典:審美論(1892‐93)〈森鴎外〉八)
  3. 一般に、同じ性質のものが属すべき範囲、部門。範疇。〔新しき用語の泉(1921)〕
    1. [初出の実例]「お母さんは余りに自分流のカテゴリーを信じようとしすぎるやうな気がします」(出典:母子叙情(1937)〈岡本かの子〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「カテゴリー」の意味・わかりやすい解説

カテゴリー
category

通常は分類によって立てられる部門を指すが,哲学用語としては,人がものを考え認識するにあたって必ず従わなければならない形式としての最も一般的な概念ないし分類語を意味する。〈範疇(はんちゆう)〉の訳語は《書経》洪範篇の〈洪範九疇〉(〈洪範〉は天地の大法,〈疇〉は田畑を区切るあぜ道)から取って,明治時代西欧哲学の移入時に作られた。原語であるギリシア語のkatēgoriaは,動詞katēgorein(kata~に対して,+agoreuein公の場で語る<agoraギリシア都市の公共広場)すなわち,糾弾する,告訴するに由来し,元来日常用語としては〈訴訟〉を意味した。個々の犯罪ないしその犯人を,たとえば殺人罪,窃盗罪など公の場で承認されうる普遍的な概念の下に包みこんで訴える,という本来の意味を生かして,アリストテレスは,この語を前述の意味の哲学の術語としてとり入れた。すなわち,彼は,カテゴリーをものの分類の最も普遍的な規定,すなわち最高類概念としてとらえ,具体的には,実体,量,性質,関係,場所,時間,位置,状態,能動,所動の10個をそれにあたるものとしてあげたのである。アリストテレスのこの考えは,ピタゴラス学派による有限・無限,奇・偶,一・多,左・右,男・女,動・静,直・曲,明・暗,善・悪,方・矩といったもののあり方ないし分類の基本となる対概念の列挙,さらにプラトンによる有,同,異,変化,持続などの基本概念をめぐる考察をうけて展開されたものであった。カテゴリーをめぐる考察は,この後,ストア学派での整理統合をへて,さらに中世のスコラ哲学においては,プラエディカメンタpraedicamentaの名のもとに,存在,一,真,善などより普遍的な超越概念transcendentaliaとのかかわりにおいて問い深められることになる。この時代までは,カテゴリーは,つねに何らかの形で,人間の認識の基本形式であるとともに,世界そのもののあり方の基本形式でもあるものとして考えられていたが,近代科学の登場とともに,それをもっぱら人間の認識の基本形式としてとらえ,自然の世界そのものもそれによって構成されるとする考えが登場してくる。カテゴリーを,人間の思考の最も一般的形式としての純粋悟性概念としてとらえ,判断の形式から4綱目12個のそれを導出整理するカントの行き方は,その一つの典型といえよう。以後,カテゴリーをふたたび世界のあり方そのものの形式に置きもどして考え,あるいは実践的規範をもそのうちに含めて考える行き方などがあいついで登場してくる。今日においては,日常言語の用法の検討にたちかえって人間と世界のかかわりをとらえ直す方向,いわゆる未開社会のそれをも含めた分類思考全般の基本構造の検討からする接近数学の基礎構造からするあらためての接近等々,カテゴリーの問題への模索は,従来のせまい意味での哲学の枠をこえて,大幅にその前線を拡張してつづけられている。
概念 →分類
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百科事典マイペディア 「カテゴリー」の意味・わかりやすい解説

カテゴリー

ギリシア語カテゴリアに由来する哲学用語。原義は〈訴訟〉。〈範疇〉と訳す(《書経》洪範篇〈洪範九疇〉より)。認識の根本形式として人が従わなければならない最も一般的な概念群をいう。最初の定式化はアリストテレスによってなされ(《カテゴリー論》),実体,量,性質,関係,場所,時間,位置,状態,能動,所動の10種。ストア学派,スコラ学での深化・統合を経て,カントは純粋悟性概念としてとらえ,4綱12種のカテゴリーを導いた。→概念
→関連項目関係(哲学)空間(哲学)悟性

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「カテゴリー」の解説

カテゴリー

ネットワークケーブルのツイストペアケーブル(UTP)の品質を分類したもの。カテゴリー1からカテゴリー7まである。それぞれのカテゴリーの用途は以下のとおり。{|!名称!用途|-|カテゴリー1|4芯2対の電話線|-|カテゴリー2|8芯4対のISDNケーブル|-|カテゴリー3|10BASE-T、4Mbpsまでのトークンリング|-|カテゴリー4|カテゴリー3までの用途と、16Mbpsまでのトークンリング|-|カテゴリー5|カテゴリー4までの用途と、10BASE-T、100BASE-TX|-|カテゴリー5e|カテゴリー5までの用途と、1000BASE-T|-|カテゴリー6|カテゴリー5までの用途と、1000BASE-TX|-|カテゴリー7|カテゴリー6までの用途と、10GBASE-T|}

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カテゴリー」の意味・わかりやすい解説

カテゴリー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カテゴリー」の意味・わかりやすい解説

カテゴリー
かてごりー

範疇

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世界大百科事典(旧版)内のカテゴリーの言及

【計器着陸装置】より

…グライドパスに対し上方が90Hz,下方が150Hzで変調されており,機上計器への変位指示はローカライザーと同様である。滑走路端におけるグライドパスの高さは最低50フィート(1フィートは約0.3m)を基準とし,その許容誤差は通常±10フィートだが,着陸のデシジョンハイト(最終決定高度,後出)が,200フィート未満のカテゴリーII,同じく100フィート未満のカテゴリーIIIの場合は許容誤差がそれぞれ+10フィート,-0フィートとなり,滑走路端において飛行機の車輪との間隙(かんげき)が確保されるようになっている。(3)マーカービーコンmarker beacon(単にマーカーともいう)は進入コース直下の定められた位置に設けられ,上方に向け特有の指向性変調電波(75MHz)を発射し,上空通過時に操縦室内の計器板上のライトの点灯および変調音で,パイロットに通過位置を知らせる。…

【思考】より

…この領域の研究では,現在の問題とどのような意味において類似している経験が重要なのか,また人間はどのような類似をもとにして類推を行うのかが研究されている。(3)言語とカテゴリー カテゴリーや言語は思考に対してきわめて大きな役割を果たす。たとえば,よくわからない水中の物体xが〈魚〉であることがわかったとすると,xは鰓呼吸をするだろう,卵生だろう,口のような栄養摂取をする部分があるだろう,などのさまざまな結論を導くことができる。…

※「カテゴリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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