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生仏 いきぼとけ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生仏
いきぼとけ

生きている仏陀の意。徳の高い僧侶の尊称。チベットには化身ラマの考えがあり,最高の仏教修行者は肉体を捨てると仏陀となりうるが,死後も仏陀となることを控えて,救済のため観世音菩薩としてこの世に化現するという。

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生仏
しょうぶつ

平曲の開祖と伝えられる鎌倉時代音楽家。目が不自由だった。「性仏」とも書く。『徒然草』によれば,藤原行長の作った『平家物語』を語りだした琵琶法師。諸説をまとめると,会津の出身で,四条天皇 (在位 1232~42) のときに,比叡山の検校職であったが,失明して慈鎮の弟子になったともいわれる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

しょう‐ぶつ〔シヤウ‐〕【生仏】

仏語。衆生(しゅじょう)と仏陀。人間と仏。迷える者と悟れる者。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

生仏 しょうぶつ

?-? 鎌倉時代の平曲家(平家琵琶(びわ)家)。
平曲の開祖と「徒然草(つれづれぐさ)」につたえられる人。東国出身で比叡(ひえい)山の検校(けんぎょう)職をつとめたが,壮年で失明。慈円(1155-1225)の庇護(ひご)により,雅楽の名手の信濃前司(しなののぜんじ)行長がつくった「平家物語」を琵琶伴奏でかたったという。法名は性仏とも。

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朝日日本歴史人物事典の解説

生仏

生年:生没年不詳
鎌倉前期,平家琵琶(平曲)の開祖といわれる。東国生まれ。後鳥羽上皇の時代の人(『徒然草』226段)。目が不自由であった。芸をもって天台座主慈円(慈鎮)の庇護を得た。学問上の失敗から遁世して,同じく慈円のもとにあった中流貴族信濃前司行長と協力して『平家物語』を作り,はじめて語ったという。しかし一説には菅原為長と天台の学僧玄恵が作った『平家物語』を生仏がはじめて語ったともいう。

(山下宏明)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

いきぼとけ【生仏】

高徳の僧または慈悲深い人を指す場合と,生けるがごとき仏像を指す場合とがある。高徳の僧の場合は持戒堅固であることが生仏の第一条件で,〈せぬは仏,かくすは上人〉などともいわれた。笠置山の貞慶(じようけい)(解脱上人)や栂尾山の高弁(明恵(みようえ)上人)などは,その持戒堅固のゆえに生仏といわれた高僧である。また修験の験力がすぐれているために生仏といわれた僧もあり,一乗寺僧正増誉(ぞうよ)(聖護院開山)と三室戸(みむろと)僧正隆明(りゆうみよう)は験力がすぐれ,〈此二人おのおのたふとくて,いきぼとけなり〉(《宇治拾遺物語》巻五)といわれた。

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大辞林 第三版の解説

しょうぶつ【生仏】

〘仏〙 衆生しゆじようと仏。人間と仏。

しょうぶつ【生仏】

鎌倉初期の物語僧。「徒然草」によれば、東国出身の盲目僧で、信濃前司行長しなののぜんじゆきながが平家物語を作るのを助け、これを平曲として語り広めたという。生没年未詳。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生仏
いきぼとけ

きわめて高徳の僧をいう。その心境も行動も仏のごとく完全無欠であることを表す。または仏のごとく無欲で、慈悲深いことを表すことばである。また一方では、仏像などが優れて美しく、人肌の温かみがあるといって「生身(しょうじん)の仏」とか「人肌の観音(かんのん)」などというのも生仏である。このことから美人の形容詞としても用いられる。[五来 重]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の生仏の言及

【信濃前司行長】より

…生没年不詳。後鳥羽院のとき,〈稽古の誉〉があったが,〈楽府の御論義の番にめされて,七徳の舞をふたつ忘れ〉〈五徳の冠者〉とあだ名されたのをつらく思い,学問を捨てて遁世したが,天台座主慈円に扶持され,のちに〈この行長入道,平家物語を作りて,生仏(しようぶつ)といひける盲目に教て語らせけり〉とある。行長に関して,《徒然草集説》(1701)では,中山行隆の子,下野守行長に比定されている。…

【平曲】より

…〈平家琵琶〉〈平家〉〈平語(へいご)〉ともいわれたが,最近は〈平曲〉の名称が一般的である。
[歴史]
 起源には諸説あるが,なかでも有力視されているのは《徒然草》の記述で,それによると,後鳥羽院の時代に天台宗座主慈鎮(じちん)(慈円)の扶持を受けていた雅楽の名人,信濃前司行長(しなののぜんじゆきなが)が《平家物語》を作り,生仏(しようぶつ)という東国出身の盲人に教えて語らせたのが初めという。天台宗では慈覚大師(円仁)以後,民衆教化のために〈和讃(わさん)〉や〈講式〉といった宗教的な語り物を積極的に作り出していた。…

【平家物語】より

…現存史料によるかぎり,遅くとも1240年(仁治1)当時,《治承物語》とも称した6巻本が成立していたことは確かである。吉田兼好の《徒然草》226段によれば,九条家の出身で天台座主にも就任した慈円に扶持されていた遁世者信濃前司行長が,東国武士の生態にもくわしい盲人生仏(しようぶつ)の協力をえて《平家物語》を作り,彼に語らせ,以後,生仏の語り口を琵琶法師が伝えたという。信濃前司行長については実在が確認できないが,慈円の兄九条兼実の邸に,その家司として仕えた下野守行長がいたし,青蓮院門跡に入った慈円が,保元の乱以来の戦没者の霊を弔うために大懺法(だいせんぽう)院をおこし,その仏事に奉仕させる,もろもろの芸ある者を召しかかえたことが確かなので,《徒然草》の伝える説には,単なる伝承としてしりぞけられないものがあるだろう。…

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