鯔背(読み)イナセ

デジタル大辞泉 「鯔背」の意味・読み・例文・類語

いな‐せ【×鯔背】

[名・形動]
いきで、勇み肌で、さっぱりしているさま。また、その容姿や、そういう気風若者。「鯔背兄い
鯔背足駄いなせあしだ」の略。
[類語]男性的男らしい雄雄しい男臭い男盛り男振り男前冥利みょうり男気伊達だて男性美りりしい勇ましいたけだけしい精悍雄偉偉丈夫快男児好男子好漢硬骨漢正義漢熱血漢無頼漢

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精選版 日本国語大辞典 「鯔背」の意味・読み・例文・類語

いな‐せ【鯔背】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 勇み肌でいきな若者。また、その様子。威勢がよくさっぱりした気風の若者。また、その気風。
    1. [初出の実例]「まだ新宅の見世前を、そそるいなせの地廻り衆」(出典:清元・忍岡恋曲者(1858))
  3. いなせあしだ(鯔背足駄)」の略。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

鯔背の語誌

( 1 )語源諸説あるが、未詳。江戸下町の若者の気風を表わす「いさみ(勇)」「きゃん(侠)」などの類語があるが、「随筆・守貞漫稿」の記述によれば、気風だけではなく、物品・人品についてもいい、必ずしもプラス評価だけではない意味合いを持つ。
( 2 )文政(一八一八‐三〇)頃の佃節に「いきな深川いなせな神田人の悪いは麹町」というのがあり、当時左官大工土方が多く住んでいたとされる神田の若者の気風を「いなせ」とみていたことがわかる。→いなせぶし(鯔背節)

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