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男色物 なんしょくもの

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世界大百科事典 第2版の解説

なんしょくもの【男色物】

狭義には,江戸初期の仮名草子やそれを受けた浮世草子好色物(好色本)の一型を指す。広義には,時間と空間を問わず,また文学上のジャンルにとらわれず男色を扱った文学の総称である。もともと日本にはなく大陸からの渡来者,とりわけ仏教者の風俗が浸透したというのは俗説にすぎない。ただし〈男色は弘法に始まる〉といわれるごとく,日中交流の盛んであった奈良時代に入唐僧によって唐からもたらされた男色は,一種の先進風俗として迎えられ,記紀をはじめとして《万葉集》《古今和歌集》《伊勢物語》《今昔物語集》《古今著聞集》などにうかがうことができるが,断片的なものが多い。

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世界大百科事典内の男色物の言及

【男色】より

…こうした男色流行は江戸時代の前期に受けつがれ,士,僧のほか一般庶民の間にもその風がひろまり,若衆歌舞伎の発展はこれを助長するとともに,男色を売る男娼――陰間(かげま)が出現するに及んだ。この男色志向を反映して,独特の衆道文学とも呼ぶべき男色物の仮名草子や浮世草子が多数つくられている。一方,男色関係にからむ殉死(心中),刃傷(にんじよう)事件などが頻発したため,幕府は衆道,若衆風俗を禁止して抑制をはかったが効果は十分でなかった。…

※「男色物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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