ソロ珪(けい)酸塩鉱物の一つ。扁平な結晶として、あるいはそれらが束状に集合して産する。結晶は特徴的な異極像hemimorphy(両端の形が異なる結晶)を示し、名称もその結晶形に由来する。亜鉛鉱床の酸化帯に他の重金属二次鉱物とともに産する。亜鉛の二次鉱物としてもっとも普通に伴うのは、菱(りょう)亜鉛鉱、水亜鉛銅鉱などである。日本では岐阜県の神岡鉱山、大分県佐伯(さいき)市の木浦(きうら)鉱山などに産出した。また、ごくまれに花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に産する。
[松原 聰]
hemimorphite ,calamine
化学組成Zn4Si2O7(OH)2・H2Oの鉱物。直方晶系,空間群Imm2,格子定数a0.838nm, b1.070, c0.511,単位格子中に2分子含む。結晶は明瞭に異極像を示し,しばしば束状の集合体をなす。劈開{110}完全,硬度5,比重3.45,断口不規則~亜貝殻状。ガラス光沢,白ときに淡青・淡緑・灰・褐色,条痕白色。HC1でゼラチン化される,焦電気性著しい。屈折率α1.614,β1.617,γ1.636,2V(+)46°,光分散γ>v強。包有物として成長面に沿って硫カドミウム鉱がみられる。鉱脈中に菱亜鉛鉱や閃亜鉛鉱を伴って,また石灰岩中にも産出する。日本では木浦・尾平・神岡鉱山に産出。結晶形にちなんで命名。
執筆者:吉井 守正
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
亜鉛鉱床などの酸化分解帯などに産出する二次鉱物の一種。化学組成はZn4Si2O7(OH)2・H2O。無色透明,白色。斜方晶系で,短柱状,針状,繊維状結晶の塊状集合体として産出する場合もある。結晶の上下方向両端の形態が異なる特徴により,その名称がつけられた。比重3.3~3.5,モース硬度4.5~5。へき開が明瞭でありガラス光沢を呈する。その形態からも明らかなように異極性が著しく,ピロ電気性を示す。亜鉛のケイ酸塩鉱物であるが,リョウ亜鉛鉱,白鉛鉱などと密に混合して産出する場合,鉛・亜鉛の鉱石として利用されたこともある。しかし単独での利用は少ない。多くの鉛・亜鉛鉱山に産出するが大分県木浦鉱山などの結晶は大型で美しい。
執筆者:湊 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ウルツ鉱ZnSは同質異像。亜鉛鉱床の酸化帯にはセン亜鉛鉱のほかに,リョウ亜鉛鉱smithsonite ZnCO3(とくに方解石を伴う鉱床に多い),異極鉱Zn4(Si2O7)(OH)2・H2Oなどを産し,鉱石として利用されることもある。大分県木浦鉱山の異極鉱は美晶である。…
※「異極鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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