白鉛鉱(読み)ハクエンコウ(その他表記)cerussite

翻訳|cerussite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

白鉛鉱
はくえんこう
cerussite

鉛の炭酸塩鉱物の一つで、もっとも普通の鉛の二次鉱物中性ないしややアルカリ性の条件で、方鉛鉱など鉛硫化鉱物の酸化分解によって生成される。自形は変化に富み、板状、柱状あるいは針状をなし、しばしば三連双晶(3個の個体が同じ関係で連なった双晶)をなす。秋田県協和町(現、大仙(だいせん)市協和)亀山盛(きさもり)鉱山、埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山をはじめ産出例は多い。英名は、ラテン語で人工の炭酸鉛のことをさすセルッサcerussaに由来する。

加藤 昭]


白鉛鉱(データノート)
はくえんこうでーたのーと

白鉛鉱
 英名    cerussite
 化学式   Pb[CO3]
 少量成分  Ca,Sr,Ba
 結晶系   斜方(直方
 硬度    3~3.5
 比重    6.58
 色     無、白
 光沢    金剛
 条痕    白
 劈開    二方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

白鉛鉱
はくえんこう
cerussite

鉛の鉱石鉱物。 PbCO3 。斜方晶系。比重 6.55,硬度3~3.5。ガラス光沢,無色透明,白色,灰色など。X線,紫外線の照射によりケイ光を発する。柱状の結晶のほか,鍾乳石状,土状,粒状の集合塊として,鉛を含む鉱床の地表付近における上部酸化帯中に2次鉱物として産出する。ラテン語の白鉛 cerussaから命名。

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