白板症(読み)はくばんしょうろいこぷらきー(その他表記)Leukoplakia

家庭医学館 「白板症」の解説

はくばんしょうろいこぷらきー【白板症(ロイコプラキー) Leukoplakia】

[どんな病気か]
 広くは、粘膜(ねんまく)あるいは皮膚と粘膜の境界にできる白色の、盛り上がりのないできものをいいますが、狭い意味では、そのなかの前がん性のものだけをいいます。
 前がん性白板症は、40歳以上の男性がかかりやすく、口の中の粘膜、外陰部肛門部(こうもんぶ)によくできます。最初は皮膚あるいは粘膜の一部が白くなるだけですが、進行すると白い部分に赤灰色の斑点状(はんてんじょう)のものができ、さらに進行すると、表面にいぼがぶつぶつとできたような状態(がん状態)になります。
 あまり自覚症状はありませんが、外陰部にできたものはかゆみをともなうことがあります。カンジダ症と一緒に発病することもしばしばあります。
 口の中にできたものは10~20%の割合でがんになります。白板症の診断からがんになるまでの期間はおよそ5年以内です。原因は不明です。
[検査と診断]
 鵞口瘡(がこうそう)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、硬化性萎縮性苔癬(こうかせいいしゅくせいたいせん)、梅毒(ばいどく)の第2期疹(しん)、円板状エリテマトーデス(DLE)など、よく似た病気と区別しなければなりません。患部の一部を切り取り、病理検査して診断をつけます。
[治療]
 患部を完全に切り取る切除術を行ないます。液体窒素(えきたいちっそ)を用いる冷凍外科的療法もありますが、まだ完全な方法とはいえません。
[日常生活の注意]
 口の中、外陰部、肛門部などは常に清潔に保つようこころがけます。特別な予防法はありません。

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百科事典マイペディア 「白板症」の意味・わかりやすい解説

白板症【はくばんしょう】

粘膜に生ずる白色平滑の斑面で,周辺はやや発赤し境界明瞭。主として歯列に対応する口腔内粘膜,舌前半,唇(くちびる),その他外陰部,尿路などに起こる。時に癌(がん)化することがある。
→関連項目口腔癌前癌状態

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白板症」の意味・わかりやすい解説

白板症
はくばんしょう
leukoplakia

白色角板症,ロイコプラキーともいう。皮膚粘膜移行部,粘膜に境界鮮明な白色角化性病変が生じる疾患。老人性角化腫あるいはボーエン病類似の組織学的変化があり,表皮内癌性病変とみなされている。口腔,口唇に最も多く,外陰部にも生じる。症候性,外傷性の良性のものもある。

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