(読み)シワ

デジタル大辞泉 「皺」の意味・読み・例文・類語

しわ【×皺/×皴】

皮膚や紙・布などの表面にできる細い筋目。「目じりに―が寄る」「ズボンが―になる」
水面にできるさざなみ。「波の―」
[類語]小皺烏の足跡

しぼ【×皺】

糸の具合で、織物の表面に現れる凹凸。また、紙や皮革などの表面につけたしわ
烏帽子えぼしの表面につけたしわ。さび。

さび【×皺】

烏帽子えぼしの表面の地質を寄せて漆をかけて装飾としたしわ。しぼ。

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精選版 日本国語大辞典 「皺」の意味・読み・例文・類語

しわ【皺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 皮膚、紙、布などの表面がたるんで、細かに縮み、筋目のできたもの。
    1. [初出の実例]「紅の おもての上に いづくゆか 斯和(シワ)が来りし」(出典万葉集(8C後)五・八〇四)
    2. 「右のかたの口びるに、ちいさきしはありてみぐるし」(出典:評判記・野郎虫(1660)伊藤古今)
  3. 水面にできる波紋。さざなみ。さざれなみ。
    1. [初出の実例]「なにはの浦に 立つ浪の 波のしわにや おぼほれん〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇三)
  4. 中世以降の烏帽子表面の縮み。しぼ。

しぼ【皺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漆で塗り固めた烏帽子(えぼし)の表面につけた寄せじわ。さび。
  3. 織物の糸の縒(よ)りの関係から表面にできるでこぼこ。また、紙や皮革につけられたしわ。
    1. [初出の実例]「就中紙絹にしぼを付る事さのみ力をも入ずして」(出典:浮世草子・俗つれづれ(1695)四)

さび【皺】

  1. 皺〈貞丈雑記〉
    皺〈貞丈雑記〉
  2. 〘 名詞 〙 烏帽子(えぼし)の表面につけたしわ。しぼ。〔随筆貞丈雑記(1784頃)〕

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普及版 字通 「皺」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] シュウ(シウ)
[字訓] しわ・しわむ

[字形] 形声
声符は芻(すう)。芻はまぐさをとりもつ形、細小のものが不いに集まる意がある。〔玉〕に「面の皺(しわ)なり」とあり、のちすべて皺のよったものをいう。

[訓義]
1. しわ、顔のしわ、皮膚のしわ。
2. しわむ、しわよる。
3. ちぢめる、しわよせる。

[古辞書の訓]
名義抄〕皺 シハ・ヒダ・スケム・シハム 〔字鏡集〕皺 オモテノシワ・シワム

[熟語]
皺胃・皺月・皺・皺褶・皺渋・皺白・皺眉・皺面・皺文
[下接語]
頰皺・紅皺・穀皺・残皺・衆皺・小皺・水皺・皮皺・眉皺・面皺・栗皺

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「皺」の意味・わかりやすい解説

皺 (しわ)

皮膚や紙,布の表面に細かいすじが縮みよった状態。皮膚のしわは,表皮萎縮,真皮内の膠原(こうげん繊維弾性繊維の退化・変性,また皮膚の水分や皮下脂肪の減少などによって,皮膚の弾力性がなくなってくるためにできる。生理的には皮膚の老化現象として現れ,年齢とともに著しくなる。一般に,激しく使う部分ほど早くしわができるといわれる。顔では,表情に関係してよく動く部分にできやすい。またしわを生ずる誘因は,外的なものとして太陽光線,寒冷刺激,不適当な化粧品,汚れなどがあげられ,内的なものとして皮膚の血液循環や栄養の不良などがあげられる。顔のしわを予防するには,皮膚を清潔にする,栄養クリームなどによる手入れ,マッサージ,化粧品の選択などがあるが,もちろん限界がある。皮膚萎縮症など特殊な皮膚病では病的なしわを生ずる。
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