応用鳥学上の古い概念で、今日ではほとんど用いられない。害鳥に対立するもの。20世紀初期以前に主として一次産業にとっての害益という観点から鳥類をみて、作物や果樹を食害する鳥を害鳥とよび、農林害虫や衛生害虫を捕食する鳥を益鳥とよんだのが始まりである。イギリスなどでは、猟区で狩猟対象鳥獣を捕食する猛禽(もうきん)類を、害鳥として駆除した時代があったし、田畑の雑草の種子を食べる鳥も益鳥とみなされたことがある。このような意味では、同一種の鳥が季節により地域によって害鳥だったり益鳥だったりするし、ときには同時に害鳥でも益鳥でもあることもある。だがそこにはいくつかの問題があった。この経済的な観点からは、作物を食害するのが害鳥ではなく、経済的被害を与えるのが害鳥である。食害を防ぐためのコストと食害による損失との大小が考えられねばならないのに、この点は忘れられていた。もっと大きな問題は、生態学が未発達だったことである。害虫や雑草の量は益鳥が捕食することによって変わるのだろうか。実はその答えは今日でもまだ得られていない。森林における鳥類の役割はいまでも論議の的である。そして、20世紀なかば前後から一次産業のあり方が変わってきたために、経済的観点からの害益はいっそう判断がむずかしくなってきた。一方、同じころから自然を求める声が強くなってきて、鳥類と人間生活とのかかわりを経済的観点のみからみることはできなくなった。経済に換算できない精神的価値をも考慮に入れると、益鳥・害鳥という概念はもはや成立しない。とくに、鳥種単位に、ツバメは益鳥だがスズメは害鳥だ、とするのはまったく無意味である。現在でも、時と場所によっては、鳥による経済的被害が生ずることは確かである。しかし、だからその被害を与えた鳥種は害鳥である、ということにはならない。
[浦本昌紀]
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