矢巾(読み)やはば

改訂新版 世界大百科事典 「矢巾」の意味・わかりやすい解説

矢巾[町] (やはば)

岩手県中部,紫波(しわ)郡の町。人口2万7205(2010)。西部奥羽山脈支脈山地からなり,東部には北上川の沖積地が広がる。東寄りをJR東北本線,国道4号線が,中央部を東北自動車道が通る。813年(弘仁4)ころ征夷大将軍文屋(ふんや)綿麻呂が徳丹(とくたん)城を築き,奥羽開拓の最北の拠点とした。中世にこの地を支配していた斯波氏重臣,戦国武将の岩清水氏の本拠地が南部にある。江戸時代には南部藩の代官所が設けられた。江戸時代に雫石(しずくいし)川から引水する鹿妻(かづま)堰が,1927年には新鹿妻堰ができて広大な水田地帯となった。畜産,野菜やリンゴの栽培も盛んである。盛岡市近郊に位置するため工場も多数進出し,住宅地化も著しい。また北接する盛岡市旧都南村地区との境に流通センターや貨物ターミナルが完成し,卸売業の拠点としても発展している。徳丹城跡は国の史跡に指定されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android