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知覚の現象学 ちかくのげんしょうがく Phénoménologie de la perception

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

知覚の現象学
ちかくのげんしょうがく
Phénoménologie de la perception

フランスの哲学者モーリス・メルロー=ポンティの主著の一つ (1945) 。フッサール後期の「生の世界」 Lebensweltの思想を継承しつつ,もろもろの現象学的概念を経験的,実証的立場から新しく解釈し直して,知覚こそ世界経験の原現象であると説く。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちかくのげんしょうがく【知覚の現象学 La phénoménologie de la perception】

現代フランスの哲学者メルロー・ポンティの主著。1945年刊。前著《行動の構造》(1942)とともに,現象学のフランス的展開を代表する著作である。著者はここで,まず従来の経験主義的および主知主義的心理学に対してゲシュタルト心理学によって加えられた批判の含蓄する哲学的意味を検討した上で,いわばゲシュタルトの位置する世界つまり知覚的世界と,それを生きる身体的主観性を記述解明する。フッサールやハイデッガードイツの現象学者によっては十分に展開されないでしまった身体の問題を主題的にとりあげ,言語や意識や自由の問題をもその地平で解明しようと企てた野心的な著作であり,邦訳(2分冊。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

知覚の現象学
ちかくのげんしょうがく
La phnomnologie de la perception

フランスの哲学者モーリス・メルロ・ポンティの初期の最重要著作。フッサール現象学の諸成果を踏まえ、またそれを独創的に解釈し直しつつ、主として「身体」の問題に定位しながら、西欧の伝統的な二元論的発想――精神/身体、主観/客観、観念論/実在論など――を克服しようとした。知覚についての伝統的な二つの考え方――主知主義と経験主義――が退けられたのちに「現象野」のうちに現れてくる「世界=内=存在」としての身体は、単なる物質的、物理的な客体なのではなく、まさしく人間と世界、主体と客体とが戯れ合う「両義性」の場である。身体の両義性を強調することによって、デカルト以来の対自(精神)と即自(身体・物体)との二元論的把握を転覆しようとの戦略である。[足立和浩]
『竹内芳郎他訳『知覚の現象学』全二巻(1967、74・みすず書房) ▽中島盛夫訳『知覚の現象学』(1982・法政大学出版局)』

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世界大百科事典内の知覚の現象学の言及

【心】より

…現代の哲学的状況を見ても,これまで心の哲学の主流を形成してきたデカルト的二元論や超越論的観念論に対して,大勢としては批判的である。これら古典的学説の基礎仮定に対する批判の作業が重要な哲学的認識の確立につながった例として,まず挙げるべきはメルロー・ポンティの《知覚の現象学》(1945)であろう。これは超越論的哲学も経験主義哲学もひとしく閑却した身体の意義を,現象学的考察の対象として初めて主題化した労作である。…

【メルロー・ポンティ】より

…第2次大戦直後の実存主義と1960年代にはじまる構造主義とをつなぐ重要な役割を果たした。1930年代にベルグソン哲学やフッサールの現象学の影響下にその思想を形成し,《行動の構造》(1942)と《知覚の現象学》(1945)によって学位を取得,45年リヨン大学講師,48年同教授,49年パリ大学文学部(ソルボンヌ)に招かれて心理学と教育学を担当,52年当時としては異例の若さでコレージュ・ド・フランス教授に就任した。この間,一方では,第2次大戦終結直後の1945年にサルトルとともに雑誌《レ・タン・モデルヌ(現代)》を創刊し,以後これを舞台に実存主義の運動を華麗に展開したが,52年に同誌の政治的主張をめぐってサルトルと決裂し同誌を去る。…

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