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石動山 せきどうさん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石動山
せきどうさん

石川県能登半島南部,宝達丘陵の北部にある山。中能登町に属する。標高 564m。古くは「いするぎやま」「ゆするぎやま」と呼ばれた。養老1 (717) 年僧泰澄が開いたといわれる天平寺,伊須流岐比古 (いするぎひこ) 神社のあった地で,真言宗の大霊場として盛時には僧坊 300を数えた。礎石と石垣が残り,国指定史跡。山体は花崗岩,片麻岩からなり,山頂一帯のブナの天然林は県有林として保護されている。能登半島国定公園に含まれ,山頂からは立山連峰,富山湾の眺望がよい。

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世界大百科事典 第2版の解説

いするぎさん【石動山】

石川県北部にある山。標高556m。宝達丘陵の一峰で,〈せきどうさん〉〈ゆするぎさん〉とも呼ばれる。能登・越中の国境に位置し,式内社伊須流岐比古神社がまつられるほか,修験道の山としても知られ,石動寺(天平寺)があった。中世には360坊,3000人の衆徒を擁すると俗に称されるほどの大勢力をもっていたが,1335年(建武2),1582年(天正10)の2度の戦火にあって一山灰燼に帰し,中世以前の石動山信仰史の解明を困難にしている。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔石川県〕石動山(せきどうさん)


石川県能登(のと)半島の南部にある山。富山県境にかけて広がる宝達(ほうだつ)丘陵北部、石動山塊の主峰。標高564m。山頂付近には伊須流岐比古(いするぎひこ)神社が鎮座。奈良時代から栄え戦国時代の争乱で焼失した石動山天平(てんぴょう)寺の遺跡がある。

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国指定史跡ガイドの解説

いするぎやま【石動山】


⇒石動山(せきどうさん)

せきどうさん【石動山】


石川県鹿島郡中能登町にある祭祀遺跡。石動山は能登半島の基部、石川県と富山県の県境にまたがる標高565mの山で、古来、山岳信仰の霊場であった。神仏習合思想が盛行する中世には、北陸7ヵ国に勧進地をもち、式内社である伊須流岐比古(いするぎひこ)神社(五社権現とも称された)の社殿のほか、院坊360余り、衆徒約3000人の規模を誇ったと伝えられる。南北朝時代以降、数度の兵乱にあい、焦土と化したが、戦国時代末期に前田氏が復興をはかり、全山を石動山天平寺と号して雄大な堂塔伽藍(がらん)・僧坊を再建した。以後、江戸時代を通じて前田氏の庇護の下で隆盛をきわめたが、1868年(慶応4)の神仏分離令を契機に衰退に向かった。石動山には元禄年間(1688~1703年)の棟札をもつ神社社殿が残り、中世の院坊跡の遺構が確認され、1978年(昭和53)に国の史跡に指定された。現在は、石動山天平寺を支配する別当寺・大宮坊の書院台所棟・番所・厠(かわや)・御成門・台所門・板塀・勅使橋などの建造物や、本堂跡・証誠殿・庭園跡などが復元・整備され、大宮坊の向かいには石動山資料館がある。JR七尾線良川駅から車で約30分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石動山
せきどうさん

石川県北東部、鹿島(かしま)郡中能登(なかのと)町にある山。標高564メートル。富山県境に近い。花崗(かこう)岩と片麻(へんま)岩を主とするが、石灰岩もあり、セメント、生石灰の原料に利用され、現在も山麓(さんろく)の一部で採石される。頂上付近には『延喜式(えんぎしき)』の古社伊須流岐比古(いするぎひこ)神社とその別当寺の石動山天平(てんぴょう)寺の遺跡がある。天平寺は奈良時代泰澄(たいちょう)の開山とも伝え、古代から中世にかけて僧坊360余、僧3000人、加賀、能登(のと)、越中(えっちゅう)その他7か国に知行(ちぎょう)四万余石をもち、修験(しゅげん)の拠点として栄えた。足利(あしかが)軍、さらに前田利家(としいえ)により弱体化し、明治初年の神仏分離で没落した。国の史跡に指定されている。標高500メートル付近に石動山集落があり、明治後期には56戸を数えたが、過疎化で11戸(1980)に減じ農林業に従事した。県有林が広く、植林に力を入れている。山頂からは能登半島、北アルプスの展望に優れ、能登半島国定公園、碁石ヶ峰(ごいしがみね)県立自然公園に属し、ハイキングコースになっている。[矢ヶ崎孝雄]

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世界大百科事典内の石動山の言及

【法道仙人】より

…法道仙人は医薬とも関係し,なかでも,和泉国の鉢ヶ峰山法道寺の法道仙人は,口のきけぬ開化天皇の皇子誉津別(ほむつわけ)命に言葉を言わせた験力ある仙人として,鎌倉末期の縁起に記載されている。誉津別命の話は,〈方道仙人〉が登場する能登国の石動山(いするぎさん)天平寺の中世末期の縁起にもある。石動山天平寺は北越地方の方道伝説の中心である。…

【石動山】より

…能登・越中の国境に位置し,式内社伊須流岐比古神社がまつられるほか,修験道の山としても知られ,石動寺(天平寺)があった。中世には360坊,3000人の衆徒を擁すると俗に称されるほどの大勢力をもっていたが,1335年(建武2),1582年(天正10)の2度の戦火にあって一山は灰燼に帰し,中世以前の石動山信仰史の解明を困難にしている。また山岳を中心とした修験者たちの里修験化を促す一つの契機ともなった。…

【石動山】より

…能登・越中の国境に位置し,式内社伊須流岐比古神社がまつられるほか,修験道の山としても知られ,石動寺(天平寺)があった。中世には360坊,3000人の衆徒を擁すると俗に称されるほどの大勢力をもっていたが,1335年(建武2),1582年(天正10)の2度の戦火にあって一山は灰燼に帰し,中世以前の石動山信仰史の解明を困難にしている。また山岳を中心とした修験者たちの里修験化を促す一つの契機ともなった。…

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