硫酸アルミニウム(読み)りゅうさんアルミニウム(英語表記)aluminum sulfate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硫酸アルミニウム
りゅうさんアルミニウム
aluminum sulfate

化学式 Al2(SO4)3 。水酸化アルミニウムを硫酸に溶かして濃縮すると生成する。工業的にはボーキサイトまたは粘土などを硫酸に溶かして製造するが,これは鉄などの不純物を含む。無水物のほかに 18水和物 (無色単斜晶系結晶) などがある。水に溶けやすく,加水分解して酸性を示す。重曹 (NaHCO3) と混合すると二酸化炭素を発生して水酸化アルミニウムとなり,このとき安定な泡を生成するので,油脂火災の消火剤に用いられる (泡消火器 ) 。また,製紙でのサイジング媒染剤,浄水などに多量に用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

硫酸アルミニウム【りゅうさんアルミニウム】

化学式はAl2(SO43・16H2O。比重1.69。無色の針状結晶。熱すると泡(あわ)を出して結晶水を失い無水塩Al2(SO43(比重2.71)となる。水に可溶。皮のなめし剤,媒染剤,レーキ顔料の製造,製紙用サイズ,水の浄化,医薬(収斂(しゅうれん)剤)などに広く用いられる。工業的にはボーキサイト,粘土などを硫酸で処理してから不純物を除いてつくる。
→関連項目泡消火器発泡剤

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうさんアルミニウム【硫酸アルミニウム aluminum sulfate】

化学式Al2(SO4)3。市販品は,ボーキサイトまたは粘土を硫酸(20~50%)と煮沸し,アルミニウム分を溶かし出し,不溶分をろ過したろ液から通常16水和物として得られる。鉄を含まない純度の高いものは純水酸化アルミニウムを硫酸に溶解してつくる。16水和物は-19℃から95℃の水溶液から析出する。そのほか18水和物(比重1.62),27水和物,また10水和物,6水和物も知られている。水和物を340℃以上に加熱すると完全に脱水され無水和物となる。

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大辞林 第三版の解説

りゅうさんアルミニウム【硫酸アルミニウム】

水酸化アルミニウムに硫酸を加えて得られる無色結晶。普通は一八水和物。化学式 Al2(SO43 皮のなめし・媒染剤・ミョウバンなど他のアルミニウム化合物の原料などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫酸アルミニウム
りゅうさんあるみにうむ
aluminium sulfate

アルミニウムの硫酸塩。無水和物と多くの水和物がある。水酸化アルミニウムを硫酸に溶かした溶液を濃縮、冷却すると十八水和物Al2(SO4)318H2O(式量664.4)が得られる。十八水和物は無色の単斜晶系結晶。比重1.69(17℃)。穏やかに熱すると十六、十、六の各水和物を経て350℃で無水和物となる。無水和物は無色の粉末。770℃で分解する。水に可溶、エタノール(エチルアルコール)に不溶。酸味があって渋い味がする。水に86.9g/100g(0℃)、107.4g/100g(20℃)溶ける。[Al(H2O)6]3+を含む錯塩であり、水溶液は加水分解して[Al(OH)(H2O)5]2+とH3O+を生じ、かなり強い酸性である。市販の液体硫酸アルミニウムはアルミナ分8.0~8.2%を含む水溶液をさす。上・下水道や製紙などの工業用水・排水浄化の凝集沈降剤として用いられる。また、アルミナホワイト、ミョウバンなどの原料、サイジング助剤、媒染剤、泡消火薬剤としての用途がある。[守永健一・中原勝儼]

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