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順徳(じゅんとく)天皇著。2巻または3巻。もともと定まった書名はなく『順徳院御抄』『建暦(けんりゃく)御記』『禁中抄』などとよばれ、南北朝時代から現在の書名になった。内容は、賢所(かしこどころ)以下約90項目にわたる禁中の故実作法を、多数の古典籍を引いて漢文で解説したもの。1221年(承久3)御子仲恭(ちゅうきょう)天皇のために書かれたものか。平安から鎌倉時代初期の宮廷を知る絶好の史料として古来重んじられ、写本も多く、刊本も慶安(けいあん)刊本、『群書類従』所収本などがある。註釈(ちゅうしゃく)書には、江戸時代の公卿(くぎょう)滋野井公麗(しげのいきんかず)の『禁秘抄階梯(かいてい)』(1776刊)などがある。
[今江廣道]
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「順徳院御抄(みしょう)」「建暦御記(けんりゃくぎょき)」「禁中抄」とも。有職(ゆうそく)故実書。2巻ないし3巻。順徳天皇著。成立年は諸説あるが,和田英松説は1219年(承久元)起稿,21年完成とする。漢文体で上巻46項,下巻45項。宮中の諸行事次第・故実・芸能・政務など有職全般にわたる作法を説くが,執筆の姿勢は,建久年間以降の宮中の風習の乱れを古風に照らして批判することで貫かれる。「群書類従」「列聖全集」所収。
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…第1条の〈学問〉も天皇家の先例に関する知識という意味であって,これを現代の〈学問〉と同義と考えるのは誤解である。また第1条自体が,13世紀順徳天皇が皇嗣のために天皇の日常身辺に関するタブーと先例を解説した《禁秘抄》の一節のまる写しであり,家康が天皇に期待したのは,こうした知識に従って宗教的世界の統率者としての身辺を維持し,自然の運行と国土の安寧とを取りもつ役割であったことが示されている。【高木 昭作】。…
※「禁秘抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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