朝日日本歴史人物事典 「竹本越路太夫(3代)」の解説
竹本越路太夫(3代)
生年:慶応1.10.6(1865.11.23)
明治大正期の義太夫節の太夫。本名貴田常次郎。泉州堺の生まれ。幼いころから素人浄瑠璃の会で語るのを楽しみにしていたが,明治11(1878)年に14歳で2代目越路太夫(のちの竹本摂津大掾)の門弟となり,プロの道を歩みはじめる。常子太夫,さの太夫,文字太夫と順次改名し,36年に3代目を相続。大正4(1915)年文楽座8代目紋下となった。得意の語り物は「絵本太功記」の「尼ケ崎の段」,「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋の段」など。晩年は病に倒れてレコードを残さなかったのが惜しまれる。<参考文献>「名家真相録」(『演芸画報』1910年6月号)
(倉田喜弘)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報