骨格筋のなかにあって,その伸縮状態を感知する受容器。筋肉中に横紋筋繊維と並行して存在する紡錘形の囊状構造物で,内部に数本の錘内筋繊維を含む。錘内筋繊維の両端部は横紋があり,ガンマ繊維という細い運動神経繊維からのインパルスにより収縮する。錘内筋繊維の中央部には横紋がなく,感覚神経繊維の末端が入りこんでおり,骨格筋が伸長されると錘内筋繊維も伸長され感覚神経末端が興奮してインパルスを発生する。インパルスの頻度は筋肉の伸長の度合に応じて変化する。骨格筋自体が収縮すると筋紡錘はたるむので,インパルス頻度は減少,あるいはゼロとなる。またガンマ繊維のインパルスによって錘内筋繊維の両端部が収縮すると中央部の神経末端は伸長されるので,骨格筋が収縮してもインパルスの発射がつづく。つまり,ガンマ繊維の働きにより筋紡錘の受容器としての感度が変化する。筋紡錘のように,外界の変化でなく動物体内の組織や器官の状態変化を感知する受容器を一般に自己受容器という。筋紡錘は動物の姿勢保持や骨格筋の協調運動の際の種々の反射に必要な自己受容器である。
→運動 →感覚 →筋肉
執筆者:杉 晴夫
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…この場合,伸張反射を起こす刺激として,腱をたたき筋肉を伸張する方法が用いられる。この反射の受容器は筋繊維に並列して数十個程度存在する筋紡錘である。この筋紡錘中には錘内筋繊維が数本あり,ここにIa求心繊維末端が付着している。…
※「筋紡錘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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